LOVE BRAVE外伝Ⅲ
ウオータースライダーのような長い滑り台を、ヒューゴとスティーブン、そして妖精の1人が滑っている。
「わーーーい!!」
スティーブンが特に楽しそうだ。意外なことに、ヒューゴのほうも
「イェーイ!」
とハイテンションである。
一方、フィル・ジミコンビは、小さな城に似せた遊具の中で、はしごをよじ登って上階に移動してしばらくそこにいて、また下りるという行為を繰り返して楽しんでいる。フィルが3回目に上階に行くと、下のほうにヒューゴとスティーブンが滑り台を滑って池にスプラッシュしてくるのが見えた。
「おーい、ヒューゴー!スティーブーン!楽しいね~~!!」
フィルが手を振ると、2人も彼の声に気付いて手を振った。
「俺も楽しいぜーー!!」
「俺もでーーす!!」
遊び場が違っても、楽しい雰囲気は変わらない。
小さな城型の遊具の前には、円形に並んで内側に向かって水を噴く噴水もあり、ジミーはその真ん中でぴょんぴょん跳ね回りながら水浴びをしていた。そのあと、フィルと妖精たちが彼のところに来て、合計4人で
「楽しいな~♪アクエリア~♪」
と歌いながら輪を作ってくるくる回った。フィルたちは、着ている服が濡れても全く気にしない。
しばらくわちゃわちゃしてから、フィルはほかの仲間を集めて、妖精たちに言った。
「妖精たち、いろいろありがとう。楽しかったよ」
「いいえ、私たちこそ、みんなと遊べて本当に楽しかったわ!!」
スティーブンも言った。
「俺、今日のこと、ず~っと忘れない!楽しかったから!!」
「ふふ、またみんなで遊びましょう」
すると、別の水の妖精が西の方角を手で示した。
「見て、あそこに花のトンネルがあるでしょう?その先が、花の国『フローリア』よ」
「花の国か。いかにも妖精チックな名前だな」
ヒューゴが視線を宙に向けながら言った。
フィルは、
「じゃあ、僕たち、今度はその『フローリア』に行ってくる!みんな、元気でね~!!」
作品名:LOVE BRAVE外伝Ⅲ 作家名:藍城 舞美