LOVE BRAVE外伝Ⅲ
フラワートンネル
ちびLOVE BRAVEが向かった先にある花のトンネルは、赤紫色の花でできていた。
「へえ、ここからフローリアに行くのかぁ」
そう言った直後、フィルはトンネルの中に入り、仲間たちも彼に続いた。
「うわぁ、すごいきれい。いつか通った桜のトンネルみたいだ。ちょっと色が違うけどね」
視線を少し上に向けながら、フィルが言った。彼の後ろでは、ヒューゴが360度見渡しながらつぶやいた。
「何とも非日常的だ」
トンネルの中を歩いているうちに、黄色い花が見えてきた。
「あっ、今度は黄色だ!ハイビスカスみたいだな」
ジミーは黄色い花の1輪に触りながら、目を輝かせて言った。
「このトンネル、夜にライトアップされたら、すごい幻想的な光景になりそうだね」
フィルは想像力を働かせ、イルミネーションに劣らぬ輝きを放つフラワートンネルのビジョンをその脳内に作り上げた。
しばらく歩いていると、今度は青い花のゾーンに入っていった。
「お、次は青い花か」
ヒューゴは、より興味深そうに青い花々を見つめた。
「俺、青い花は好きだけど、紺色系のほうがもっと好みだな」
「俺は、白い花の次に青い花が好きです」
どうやらこのギターコンビ、色の好みが微妙に合っているようだ。
やがて、白い花々のゾーンに突入した。
「あ、今度は白い花だ」
フィルがそのまんまのコメントをした。
「雪の中を歩いてるみたいだ~」
スティーブンが興奮ぎみに言うと、スキップしながら進んだ。そのうちに、向こうに緑色の光景が見えてきた。
「お、もうすぐ出口か?」
ヒューゴが言うと、ジミーが答えた。
「そうだな。どんどん明るくなってくるし」
作品名:LOVE BRAVE外伝Ⅲ 作家名:藍城 舞美