希望かな。
「別に、市販のでも…」
宏和君の言葉を遮るように、琴音さんは突然立ち止まります。
「…分けてもらう事にする!」
「は…?!」
「茜ちゃんにお願いして…チョコ、少し多めに作って貰えば…」
繋いでいた手を引っ張られる形で、軽くつんのめる宏和君。
「琴ちゃん…」
「なぁーに?」
「─ バレンタインチョコが、他人の手作りと言うのは…どうなんだろう」
「茜ちゃんは他人じゃない! 私の親友なんだから!!」
「いや、そう言う問題じゃなくて…」
「…じゃあ、ママに作って貰う」
「えーと、琴ちゃん?」
「ママを、他人だって言うつもり?!」
「だから…そう言う事じゃなくてね。。。」