希望かな。
「…落ち着いた?」
隣に寄り添って背中をさする宏和君に、琴音さんが頷きます。
「んー」
「どうして…手作りに拘る訳」
「うー」
琴音さんは、唇を噛みました。
「─ 彼氏チョコが市販品なのは、負けた気がする」
背中をさすっていた宏和君の手が止まります。
「じゃあ…チョコ、作れば?」
「え? 良いの!?」
「…僕が手伝うよ」
「ヒ、ヒロは…作れる人なの?」
「経験はないけど、多分 琴ちゃんよりはマシ」
再び背中をさすり始る宏和君
その手から、琴音さんが逃げます。
「わ、私の方が…ちゃんと作るれるんだからね!!」