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月とコンビニ
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きょうはくデート!!

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岩崎  ってなんで隣に立ってるのよ!早くそっち座って(ちかっ!いくら観覧車だからって近づきすぎよ!私がドキドキしちゃったじゃないバカッ!はっ、冷静になるのよ宏美。まさか策にハマっているのは私の方ではなくて?観覧車は必然的に近くなる!コイツも私に近づこうとしてる!?)
研二  さて登り始めたな。(この一周で安全地帯を把握してやんぜ!)
岩崎  そ、そうね。
研二  岩崎が上だな。(コイツを下にはできねぇからな……)
岩崎  半分超えたらアンタが上よ。(……あれ?観覧車って、乗ったら右回りも左回りも関係ないじゃない!またもや計画が狂ったわっ!しかもコイツ外ばっかり見て私の事なにも見てないじゃない!バカほんとバカ!)
研二  お、メリーゴーランドじゃん。次あれに乗りたいな!(お化け屋敷からどんどん離れてやるぜ)
岩崎  いいんじゃない?
研二  なんか元気ないな?
岩崎  え、そんなことはないけど(大変っ考えすぎてデートだって忘れそうだったわ!)
研二  おうそうか。ならいいんだ。
岩崎  ……?(ちょちょちょっとー!メリーゴーランド行くって言ってなかった!?メリーゴーランドといえば恋人たちの乗り物じゃない!なんで私がコイツと乗らなきゃいけないのよ!いや乗りたいわよ!どれ?いったいどれに乗るっていうの?)
研二  美味そうだな(ああいうワゴンの食べ物屋って食欲をそそるんだよなぁ)
岩崎  馬?(馬なの!?馬といえば王子様とお姫様の乗り物よ!?)
※偏った知識である。
研二  ん?岩崎も好きなのか?(食べ物屋のワゴン)
岩崎  へ?(す、すすすすす、すすすすす好き?すすす好き?)
研二  俺も好きなんだよ。
岩崎  すすすす、すす、って、すす好き?
研二  え?ステーキが食いたいのか?いやさすがにステーキは……
岩崎  わたた、わたわたしもっ
研二  綿菓子?あ、それならあるぞ、ほらあそこに。こっからだとよく見えるなぁ。
岩崎  すす、すき、か、かも、すすすっ
研二  だからステーキはないって(ステーキと綿菓子って食べ合わせ悪そうだぞおい。お嬢様の舌は難しいぜ)
※かみ合わないにも程がある
研二  そろそろ下だ。色々見てたら結構早いもんだなぁ、観覧車って。
岩崎  うん(すっごい疲れた)
研二  ほら、気をつけろよ。
※差し伸べられた手を岩崎が掴む。
岩崎  ええ。助かるわ。

●観覧車を降りる二人。

研二  ……離せよ(コイツ、このままどこかに連れ去る気か!?どんな恐ろしいことをっ……!)
岩崎  そそ、そうよね!忘れてたわ!(なにをしているの宏美!!??手を!手を繋いでしまったわ!?いつから?いったいいつから繋いでいたの宏美!!これじゃあまるで遊園地デートのカップルじゃない!か、カップル…)
研二  手、けっこう小さいのな
岩崎  ふんっ!

●その小さい手が鋭く腹部に突き刺さった。

研二  ぐべぇっ
岩崎  早く次行くわよ!メリーゴーランドでしょ!
研二  お、う……(威力が増してきてないか)
岩崎  (あーもうバカバカ、このバカほんとバカ!思い出しちゃうじゃない!……まだあったかいし……手)

●メリーゴーランド前

研二  うおーーメリーゴーランドーーー!
岩崎  どれに乗るの?
研二  もちろん馬だろ!(騎士みたいでかっこいいし!)岩崎は?
岩崎  わ、わたし!?(え、馬ってことはやっぱり!?えーっ!馬ってことはもう)馬しかないじゃない!(ちがーーーう!声に出しちゃったわ!宏美のバカー!)
研二  お、馬が合うな。
岩崎  く、くだらないこと言ってないで早く乗るわよ!どっちが前?私が後ろよ。いいわよね。(よし!この私が後ろからしがみ付いたらキュンキュンして頭がおかしくなっちゃうに違いないわ!こんどこそドキドキさせてやるんだから覚悟しておきなさい!)

※ちなみに岩崎は作戦決行のために一番ドキドキしている。

研二  なんかドキドキするなー(久しぶりの遊園地で心踊るって感じだ)
岩崎  あ、あんたもドキドキしてたのね(えーっえーっえーっ!コイツもドキドキしてたの!?なにも上手くいかないと思ってたけど計画通りってことよね!)
研二  岩崎もドキドキしてたのか。俺だけだったら恥ずかしいと思ってたんだ。(遊園地が久しぶりで、だなんて子供っぽいしな)
岩崎  私も、自分だけだったらどうしようかと……(両思いけってーい!!急展開よー!だったらもういっぱいくっついちゃってもいいわよね!がんばるのよ宏美!)
研二  岩崎も意外と子供っぽかったんだな(コイツも遊園地ではしゃぐんだ)
岩崎  悪かったわねっ(子供っぽいか、もっと大人っぽいのがいいのかしら。宏美、ここからが勝負よ。ふわふわな私でもっとメロメロにしてやるんだから!)私だって大人なところはあります!
岩崎  じゃ、じゃあ、あの馬にするわよ!
研二  あの馬って…でかっ!あれ二人乗りの馬じゃんか!
岩崎  そうよ!?さっきも言ったでしょ?何か問題ある?
研二  …ゴクリっ(岩崎に背後を取られるのはリスクが高すぎる。しかし拒否をすればまた鉄拳が俺の鳩尾を的確に捉えてくる。なら手段は1つ!)

●二人乗りの馬に近づき、岩崎にそっと手を差し伸べる。

研二  (ここは自然に何の違和感も無いように…)ほら、乗れよ。
岩崎  へっ!?(ヤバイヤバイヤバイ!!完璧なエスコート!白馬に乗った王子様が、私を迎えにやってきた!そう…こうやって優しく私を腕で引っ張り、白馬の前方へ優しく乗せる…ん?)

●白馬の前方に岩崎、後方に研二が座った状態となった。

研二  (よし、これで背後を取られる心配もなく自然と乗馬できたぞ。)
岩崎  いや、なんでお前が後ろなんじゃーい!!
研二  ですよねー!!!!

●結局、研二が前方、岩崎が後方で乗馬することになった。

研二  ええい。こうなったらもう振り切って楽しむぞ!
岩崎  ちょっと、揺らさないでよ!

●研二が張り切ったせいで、馬が左右に揺れ、思わず岩崎は研二の腰にしがみついた。

研二・岩崎  あっ…

アナウンス 『それでは、メリーメアリーアラウンド、出発~♪』

●メリーゴーランドが動き出す。

研二・岩崎  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●乗馬中、沈黙する二人

研二・岩崎  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アナウンス 『到着で~す♪お馬さんが完全に止まるまで、絶対に下りないでねぇ~。はい、それでは足元に気を付けて降りてくださいね~。出口は左側にありますのでお間違いのないように~ありがとうございました~♪』

研二・岩崎  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●馬が停止すると同時に、無言のままゆっくりとメリーゴーランドを出ていく二人。

研二  ……(やばいやばい。完全に殺られるところだったっ!まさか乗った瞬間を狙ってくるとは。何たる不覚!最後まで何も攻撃してこなかったのは、「いつでも殺れるが今は生かしておく」という牽制なのか?なんて恐ろしいんだ、岩崎宏美!)