古代湖の底から
このようにキャプテンに指示を仰いだところ、機内で回覧されたのだろう、三人から三樣の回答が返ってきた。まず一通目はアーネゴから。
可愛いボーヤへ
あらまあ、出来ちゃったのね、恋人が。
そりゃあ、哀歌さんに協力しないと――、ダメッしょ。
その内、私たちは白鳥座に帰るけど、その娘が好きなら、
JAPANに居残んなさい。
この青星で、ホモサピエンスのメスと仲良く暮らして行ったら良いわよ。
じゃ、お幸せに!
アーネゴより
「なんじゃ、これ。エロー冷たいじゃん」
ボーヤは不満。そして二通目は、兄貴のように慕ってるアンチーヤンから。
マイ・ブラザーへ
仲睦まじきことは羨ましきことかな。
まっ、よろしんじゃないの。
地球で頑張れな!
アンチーヤンより
「えっ、まるで他人事だよ」
20世紀以上、いや大半は寝ていたのだが、いずれにしても寝食を共にしてきたのに……。ここに至る今までは一体何だったのだろうか、とボーヤは肩を落とした。
そして最後に、どっちみち俺を見捨てたんだろとちょっと捻(ねじ)れながらも、キャプテン、コーワイからのメールを開く。