東京人コンパ
またこういった自然の中は一/f揺らぎという波長がどこからか、伝わってくるのでは。また久美は沙織が言ったように僕の声には一/f揺らぎがあるんじゃないか、ボーカルレッスンを正式に受けて、トレーニングをしてその一/f揺らぎの声を上手くものにしてほしい。そうしたら、私は後ろでフルートでも、けん盤でも何でも弾く。そう言った。
話は途切れることもなく僕達は朝まで語り明かした。朝になって久美は病院に戻り、僕は始発のバスで十和田市内に戻ることにした。
「また会える?」
僕が訊くと、
「うん。退院したら会える」
「約束だよ」
「約束ね」
そうして僕達は別れた。