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短編集19(過去作品)

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 彼女は私に告白してきた。最初は私に片想いについての相談だったので、まるで中学時代を思い出していた。そう、あの時麻衣が私に持ちかけてきた相談のように、ハッキリとせず、最初は相談したことを後悔しているかのようだった。
――中学時代と同じだ――
 そう思った途端、恭子が私を愛しているという確信めいたものを感じた。
 後から聞いた話だが、麻衣はあの時の戸惑いは私に対してだったという。その麻衣も今は聡と結婚して幸せになったようだ。
――すべてが恭子と出会うための夢物語――
 恭子と出会うことで、今までの思い出にピリオドが打たれた気がする。すべて中途半端だと思ってきた思い、人生のターニングポイントでふと立ち止まって考えてみる。
 そう、すべてが私の中で思い出に変わる瞬間なのだ……。

                (  完  )














作品名:短編集19(過去作品) 作家名:森本晃次