レナ ~107番が見た夢~(R-15ver.)
「うん、今までロリータ趣味はないつもりだったのに、君を見かけた時に思わず足が止まったんだ、なにか惹き付けられるものがあってさ、かいがいしくベッドを直してる姿が可愛かったし、顔も可愛いよね」
「え……ありがとうございます……でも、子供っぽ過ぎませんか?」
「子供っぽくないとは言わないよ、実際子供なんだしさ、でも、11歳でもちゃんと感じてくれれば女としての魅力もあるよ」
「あ……ありがとうございます……」
実は、俺は少しばかりコンプレックスを抱えている。
俺は185センチ80キロとかなり大柄な方だ。
しかしアレは少々小さめなのだ、そう極端に小さいわけではないとは思うのだが身体が大きい分余計に貧弱に見えてしまうらしく、リアルでもクローンでも『あら?』と言う顔をされてしまうことがある、中には声に出してしまう女性もいるくらいだ。
しかし、107番の小さな身体を前にすると、控え目サイズで良かったとすら思う、体の大きさに見合ったビッグサイズだったら壊してしまいそうだ。
107番も『あら?』と言うような顔はしない、むしろ少し安堵している風ですらある、それもそうだろう、この小さな身体で大人の男の相手を務めるのは楽ではないはずだ。
案の定と言うべきか、幸運にもというべきか、俺と107番の相性は抜群だった。
俺は107番の身体に溺れ、夢中で腰を振る、すると107番も良い声で鳴き、身体を仰け反らして喘いでそれに応えてくれる、その声を聞き、姿を見ると俺は更に夢中にさせられた。
俺の控え目サイズを107番の小さい身体はみっちりと包み込んでくれ、107番の小さな身体には俺の控え目サイズがジャストフィットしたようだ。
ここに来る時は、軽く一本抜いてもらって後はぐっすりのつもりだったのに……。
この部屋に入ってから3時間あまり……すっかり弾を撃ち尽して満足した俺は、ごろんと107番の横に寝転び、腕を差し出した。
きょとんとする107番、その表情も可愛らしい。
「腕枕……しないの?」
「いいんですか? 腕、痺れませんか?」
「俺がそうしたいんだよ」
「それなら……」
107番は俺の腕を頭に敷いてニッコリと微笑んだ。
「すごく良かった」
「本当ですか? 私もすごく感じちゃって、ちゃんとできたかどうか……」
「ちゃんとも何も、俺、こんなに興奮したこと初めてだし、あんなに女を乱れさせたのも初めてだよ」
「私も……」
「相性が良いのかな」
「だと嬉しいです」
107番の小さな身体にジャストフィットすると言う事は、やっぱり俺のは小さめだと言うことでもあるが、そんな事はもうどうでも良い、相性ばっちりな女性器の持ち主を見つけたのだから。
「君は可愛いね」
俺は傍らの107番の身体をゆっくりと撫でながら言った。
「え?……」
「言われない?」
「言われたことないです」
「そんなことないだろう?」
「頭をぽんぽんと叩かれながらなら何度かありますけど」
「ああ、まあ、それだと子供扱いだな」
「実際、まだ子供ですから」
「まだ身体が小さい事は確かだけど、俺が今まで抱いた中では一番だったよ」
リアルでもクローンでも、と付け加えかけて、やめた。
なんとなく107番をクローン扱いしたくなかったのだ。
「ありがとうございます」
クローン女は世辞を使わない、客に失礼のないようにとは教育されてはいるが、客の歓心を煽る事はないのだ、なぜなら、沢山客が付いても彼女たちに取って何も良い事はないから、まあ、あまり少ないと罰を受けたりはあるのかもしれないが……。
「ここ、びちゃびちゃだね……犯人は俺なんだけどさ」
「うふ……」
その笑顔に嬉しくなって、俺はさらさらした緑色の髪をゆっくりとなでた、すると107番はうとうとし始める……もう夜中と言うよりも明け方、疲れが出たのだろう、にもかかわらず全身全霊で俺の相手をしてくれた……俺はその幼い笑顔を眺めながら髪をなで続け……いつしか眠りに落ちて行った。
「う……うん?」
目が覚めると、隣にはちゃんと107番が居た、俺の胸を触れるか触れないかのソフトさで撫でている。
「あ……起こしちゃいました?」
107番が俺の顔を覗き込む。
「ん? ああ……いいんだ……今何時?」
「10時半です」
「ああ……そうか」
「何か予定が?」
「いや、今日はオフなんだ、明日と明後日もね」
「良かった……」
「君は? だいぶ前から起きていた?」
「いいえ、つい15分位前です」
「そうか……よく眠れた?」
「はい、ぐっすり」
「昨日は無茶しちゃったね、悪かった」
「いいえ……」
107番ははにかんだような顔を見せて言った。
「あと1時間半あります、よろしければもう一度……」
「君は? 大丈夫なの? 身体はきつくない?」
「大丈夫です……もう一度……抱いて……欲しいんです」
そんな言葉を聴いて奮い立たないのは男じゃない。
俺はじっくり愛撫してやり、ゆったりと穏やかに107番と交わった。
出来ることならば後二日まるまる延長したい位だったが、C-インには連続で同じクローン女を買えないと言うルールがある、クローンの安全を確保する……以前、無茶しすぎてクローン女を死なせてしまい、時間延長でそれを誤魔化そうとした客がいたのだ。
そして、クローン女が特定の客に過度に入れ上げるのを防ぐと言う意味合いもあるのだろう。
後ろ髪を引かれる思いで俺は身支度を始めた。
「また来るよ、まっすぐこの部屋に来るけど、良いかな?」
「はい!」
翳っていた107番の顔に灯りがさしたかのようだ。
「俺の名前は幸男、君は?」
「私は……107番……」
迂闊な質問だった、クローンに名前などない。
「それは呼びにくいな……う~ん、そうだな……レナはどう? 107の0と7でレナ」
「レナ……私の……名前…………はい! 素敵な名前です」
「じゃあ、レナ、必ずまた来るよ」
「待ってます」
俺は最後にレナとキスをして部屋を出た。
フロントで支払いをしている時、ふと思った。
これがレナを抱いた料金ではなく、レナとディナーを共にした代金だったらどんなに良いか……。
もう俺の頭の中はレナの事で一杯だった。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「レナ、また来たよ」
「幸男さん!」
俺は三日と空けずにレナの元へ通った、そして週末ともなれば一晩を一緒に過ごした。
その料金は給料では賄いきれずに、結婚資金にと積み立てていた貯金を崩すことになったが、レナとの時間は金には代え難かった。
レナはいつも満面の笑みを浮かべて俺を迎えてくれる、そして俺達は時間が許す限り肌を重ね合い、快楽を貪った。
時々はレナの部屋、107号室のドアが閉まっている事もある、そんな時はフロントでレナが空く時間を尋ねて出直した。
C-イン側ではそれを快く思わない事は知っていた。
クローンの女とリアルの男があまり深い仲になって欲しくはないのだ、クローンに無用な知恵がつく恐れがある。
だが、俺はそうしないではいられなかった。
そして、レナの身体が空くのを待って部屋に入る時、俺もレナも少し気まずい思いをする。
作品名:レナ ~107番が見た夢~(R-15ver.) 作家名:ST