赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話
表に出ていたテーブルや椅子をかたずけ、水場から飲料水を
くみあげたことで、山小屋は、嵐の到来を待つだけの状態になった。
悪天候の場合。飛び込んで来た避難客を、山小舎は何人でも受け入れる。
もともと飛び込みの、緊急避難場所としての役割を持っている。
そのため山小舎は、定員を超えても避難客を受け入れる。
人があふれると、大部屋や相部屋で雑魚寝する。
さらに混雑が激しい時は廊下や食堂に布団を敷いて就寝したり、他人と同じ
布団で就寝することもある。
ひと息ついたひげの管理人が、昼食の準備のために厨房へ向かう。
「俺たちも手伝おう」と、作業員の2人が着いてきた。
狭い厨房の中で、男3人によるカレーライスつくりがはじまった。
山小屋の食事といえば、作り置きが容易なカレーライスが定番だ。
今の時代。カレーライスを出す山小屋は少数派になった。
しかしそれでも、大量の食事を準備するとなると、やはりカレーライスが
定番になる。
「カレーなら任せろ。俺たちの現場でもカレーライスが定番だ」
「ありがたい。じゃ俺は、特製の味噌汁でも作ろう」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話 作家名:落合順平