赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま(72)
本枯れ節のカツオ節
『どうしたんだろう・・・たまは?』
たまの不思議な動作に、清子がすこし不安を覚える。
足もとのたまを抱き上げようとする清子を、恭子が手で制止する。
「清子。もうすこし待って。
この風の中に何かを感じたか、何かの匂いを感じ取ったんだと思う」
すこし様子を見守ろうと、恭子がささやく。
たまがふたたび、匂いにつられて歩き出す。
3歩、4歩と、おぼつかない足取りで、前へすすんでいく。
「ホントだ。たまが、歩き始めました・・・」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話 作家名:落合順平