赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 最終回
清子とたま
「ここが遭難しかけたという、語らいの丘か。
なるほど。噂には聞いていたが、想像していた以上に素晴らしい所だ。
まさに絶景だ」
「訂正してちょうだい。パパ。
私たちは遭難しかけたのではなく、緊急避難していたの。
天候の回復を待ち、ここでじっとしていました。
うふふ。霧に閉じ込められて、進退を窮まっていただけです。
わたしたちが助かったのは、たまが、カツオ節に反応してくれたおかげです。
ビバークなんか出来なかったわ。まる2日間も荒れ狂ったのよ。
たまのおかげで命拾いしました。お前はやっぱり、奇跡の猫だ」
「小さくてもたまは男の子だ。勇敢だったねぇお前。
それにしても満開のヒメサユリは素晴らしい。
飯豊連山のすべてが、ここから一望できる。
すごい場所だ此処は。そう思うでしょう、小春さん。あなたも」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話 作家名:落合順平