赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (76)
男と女の2人連れ
ヘルメットにカンテラを装着している。
未明の時間に麓から、登り始めてきた登山客のようだ。
「おい。最初の登山客がもうそこの尾根まで登ってきたぞ。ずいぶん早いなぁ。
いまの時間ここまで来るには、麓を1時か2時に出発するようだ。
ずいぶん熱心な登山客だ」
「なんだぁ・・・・手を引いて歩いているぞ。
へばっている様子からすると、もうひとりはまったくの初心者だ。
歩くだけで精一杯みたいだ。
よくあんな状態でここまで登って来たもんだ。感心するぜ」
三国山荘から出てきた客たちが、はるか彼方へ小手をかざす。
尾根に姿を見せた2人が、ゆっくり山荘に向かって歩いてくる。
「もうひとりは女だな。大丈夫かよ、もう完璧に足がもつれているぜ・・・」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 71話~最終話 作家名:落合順平