コードLP
LPの初恋
惑星ドーターの民間宇宙港に着陸態勢に入っているんだけど。
「何あの娘?」
「ねえ、ポセイドン。あの娘あなたの知り合い?」
「ワタクシにはあんな若い女性の知人はいません」
「さっきからこっちに向かって手を振りながら」
「なんか叫んでるけど・・・」
「あんなトコに居たら死んじゃうわよ?」
「ミスター・ポセイドン」
「私の音声を外部スピーカ出力して下さい」
「了解しました」
・・・・・・・
『コラッそこのメスガキッ!邪魔だからどきなさいっ!!』
・・・・・・・
「あわてて逃げていったわね。とんだ少女ね・・・」
「おみそれしました、キャプテン・トリン・・・」
・・・・・・・・
「こっちこっちっ!」
・・・・・・
「何あんた?私はあんたなんか知らないわよ?」
あれ?なんか私ガラが悪くなってるわね。
この星の大気のせいかしら?
「おねーさまあ!」
ガバッ・・・・
「うわああ・・・」
「くっつくな!このクソガキ!」
「あ、ごめんなさい!」
「あたしはシャムロッド、擬人コードLP30000BB」
「お姉さまの妹ですぅ」
「なんですって?」
「何で私がLP300なのに、あなたが3万なわけ?」
「まあまあ、細かいことはいいから!」
このツインテールにミニ・スカートのイカレポンチは。
私のガイド役みたい。マザー・レインからの着信があった。
「はあ、先が思いやられる予知が出来るわ・・・」
この都市の旧居住区画に居る。民間人の「マル」と言う人を。
訪ねるんですって。
エア・タクシーに乗って訪問なの。
「はい、おねーさま。まるまーる♪」
「あっはははは!」
「フザケンナ!」
「ぐっぐるじい・・・クビを絞めないで・・・」
「マル・マールさんね?」
「今、私のデータベースに追加されました」
「・・・・・・」
「???」
「おねーさま?どーしたんですか。顔がマッカですよ?」
「な、なんでもないわよ」
「はっはーん。マルさんのプロフィールを全部見ましたね?」
「あわわわわ・・・・」
「お客さん、着きましたよ」
「3億ゼゼコになります」
「うわっ!ものすごいインフレ!」
ピンポ~ン・・・・
「おねーさま、緊張してる。可愛い!!」
ブンッ!ドカンッ・・・ひゅーん
バキャンッ・・・
「おねーさま、擬人がむやみに暴力を使っちゃいけないのに」
「なんで可能なの?」
パンパンパンッ・・・・
「あらら、お洋服が砂まるけ・・・」
「あなた、その派手なメイクを落としなさい!」
「気持ち悪いからっ!」
ガチャン・・・
「うるさいなあ・・・危険勢力ですか?」
「ウチはお断りですよ?」
「は、はじめまして!マルさん!」
「私はトリン!擬人コードLP300TTです!」
「あたしは・・・」
「むがむがむが・・・・」
「こ、こいつはただの付き人です!」
「はあ・・・」
「で、僕に何か用ですか?」
「はいっ!あなたの身柄を拘束!・・・じゃなかった」
「あなたの生命の安全を守るように派遣されました!!」
ぽかーん・・・・
「キャッはははは!おねーさま、おっかしい!」
ドンッ!!
ひゅーん!
ざざざ!
「おねーさま」
「あたしも同じ擬人だから。暴力振るっても無駄なのに・・・」
「あなた達は出張コメディアンですか?」
「ご、ごめんなさい。マルさん!」
「今すぐに私のシップに出頭!」
「じゃなかった同行して下さい」
「はあ?・・・」
「ささささ、マルさん。とっとと行きましょう」
「おねーさまはマルさんにベタ惚れなんですよぅ!」
ボンっ!
「あーあ・・・おねーさまの脳回路が持つかしら?」
「ヘイ・タクシー!」
バヒューン・・・・
「く、くやしいー!あたしのナマ足に見向きもしないなんて!」
「シャムロッド、化石時代の取得方法では非効率です」
「インフォメーションセンターにタクシーの手配をしました」
「30秒後にここに来ますから」
「あなたはその砂まるけのお洋服を整えなさい」
「さっすがおねーさま!もうこの惑星の大気に適応しましたね?」
「さあ、マル・マールさん行きましょう」
「この宇宙の命運があなたにかかっています」
「私、トリンはあなたを守るために全能力を駆使します」
「あ、あなたは僕が何者なのか判るのですか?」
「ご、ごめんなさい!!」
「???」
「お、面白すぎますぅ、このカップル」
・・・・・・・・
・・・・・・・・
「キャプテン・トリン、遅刻ですよ?」
「今すぐに離陸しないと。もう滞在時刻がオーバーしてますよ」
「罰金を取られます」
わわらわらわ・・・・
「乗員が3名に変更されました」
「キャプテン・トリン、早く指示を下さい」
「ご、ごめんなさいポセイドン。すぐに離陸をして下さい」
「全部まかせます・・・」
バウンッ・・・ボッボッボッ・・・ギューンッ・・・