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カクテルの紡ぐ恋歌(うた)Ⅹ

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「松永2佐、お願いします! 何でもしますから何とかしてください!」
「えっ何? 俺?」
 急に話を振られたイガグリ頭は、襟なしジャケットの下でゆさりと揺れた巨大な膨らみにうっかり視線を止めてしまった。
「な、何とかって、ななな、何を何する話?」
「送別会に入れてください!」
「あー、アナタを?」
「1部長もです!」
「そ、そういうことは、……幹事に任せてっから!」
 完全に気圧された2等陸佐は、助けを求めてずんぐり体形の海上自衛官を見やった。大須賀は、松永の視線を追い、露骨に不快そうな表情を浮かべた。しかし小坂は、怯むことなく不敵な笑みを浮かべると、大仰な咳払いをして立ち上がった。
「そう、オレが幹事サマだ。で、今の話、条件次第ではどうにかできなくもないかなあ」
「条件? 何ですかそれ」
 鮮やかなピンク色の唇が、警戒感たっぷりに尖る。それをからかうかのように、小坂は丸い顎に手を当て、したり顔で大須賀をじっと見つめた。
「オレの『幹事補佐』をやってくれたら、日垣1佐のスケジュールをなんとか押さえてやってもいい」
「幹事の仕事しろってことですか? いーですよ。私、幹事役は不得意じゃないですし」
「だーかーら、幹事じゃなくて幹事の補佐。幹事のオレを助けるの。いろいろ打ち合わせしたいから、取りあえず近々に昼飯でも一緒に食って……」
「はあ?」
 大須賀が己より年齢も立場もやや上になる3等海佐を無遠慮に睨み付けると、他の制服たちは一斉にゲラゲラと笑い出した。
「ちょっと無理があるんじゃないですか?」
「無理な上にセコい」
「幹事の職権乱用もいいとこだな」
 まるで援護する気のない同僚たちを無視して、小坂はじっと大須賀を見据えた。豊満ボディとずんぐり体形が、美紗を挟んで対峙する。
 先に口を開いたのは大須賀のほうだった。