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カクテルの紡ぐ恋歌(うた)Ⅹ

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「永田町での私の任期は二年だ。たったそれだけの期間のために、いい機会を放棄してしまうのは……」
 日垣はそこで言葉を途切れさせた。明かりのない部屋が沈黙に満たされる。美紗は膝の上に置いた手を固く握りしめた。

 二年後、出向期間が終われば、日垣貴仁はその時こそ東京を離れることになる――

 小さな手の上に、骨ばった大きな手が重なった。悲しい言葉がこぼれるのを怯えるかのように、二人は身を寄せ合い、窓の外に広がる星のない冬空を見上げた。猫の爪のように細い三日月だけが、地上に寒々しい光を降りこぼしていた。