赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 66~70
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (70)
捜索隊が行く
「4人一緒では、ラチがあかない。
お互いの距離をおき、広めに展開して幅広く探していこう」
「効率は悪いが今のままで行こう。
下手に散開すると、今度は俺たちがおたがいを見失う危険がある。
足元も滑る。注意しながらこのまま前進しょう」
4人が濃霧の中を、手探りで前進していく。
このあたりの地形を知り尽くしているひげの管理人でさえ、
思わず腰が引けるほどの、深い霧。
尾根からくだりはじめた草の斜面は、ちょっと足を滑らせただけで
深い谷底へ、まっさかさまに滑落する危険を秘めている。
「このあたりから、語らいの丘へ行く枝道だ。
お~い、誰かいるか。助けに来たぞ、おねえちゃんたち。
居るなら返事をしてくれ。救助に来たぞ~」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 66~70 作家名:落合順平