赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 61~65
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (63)
嵐がやって来る?
稜線の登山道で作業していた2人も、天候の異変に気がつく。
急激に温度が下がってきたからだ。
そう感じた次の瞬間。ガスの塊りが谷底から、一気に斜面を駆けあがってきた。
濃密なガスが、またたくまに視界を奪う。
稜線上でガスと、西から吹き付けてきた風がぶつかりあう。
行き場を失ったガスがすさまじい勢いで、上空に向かって舞い上がっていく。
日本海から吹き付ける湿った風。
谷間から吹き上げてきた冷たい風がよく、稜線の登山道の上でぶつかりあう。
このとき。予測不能の急変を生み出すことがある。
『急変の前兆だ。荒れた天気がやってくるぞ。突風が吹くと、稜線上は厄介だ。
作業を中断して、早めに山小屋へ退避しよう』
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 61~65 作家名:落合順平