愛して欲しいと言えたなら
メル友・・・その4
などと、可愛いイチゴさんが乗ってるショートケーキをパクパクしながら
たわいもない井戸端会議に花を咲かせてコーヒータイムは過ぎていくのである
「どれ、そろそろおいとましようかね・・・」
「あたしもそろそろ夕飯の支度をしなくっちゃ」
「そうかえ、それじゃ夕飯時になったら孫をよこすわいな」
「よこさなくていいってば!」
「なんに遠慮ばしよってからに」
「遠慮じゃなくてあたしは男に興味がないんだってば」
「心配いらんよ、男じゃないくて孫だけんね」
「ちょっとおばあちゃんってば!」
「ひゃひゃひゃ、冗談だで、ひゃひゃひゃ」
「それじゃ、気を付けて帰るのよ」
「あいよ~隣だで寝ててもつくわいな、ひゃひゃひゃ」
まったくも~、とはいえいつもの事なんだけど
んでも、よりによって男を紹介されるとは思ってもみなかったわ
とりえずメールでも開いてみてから夕飯の支度でもしようかしら?
あら?騒いでるみたいね?
あの子からメールが5通も届いてるわ
それじゃとりあえず返信しとこうかしら?
と、一人ブツブツいいながらメールを送信すると速攻でメールが飛んできた!
「だから、なんで分かったのよ!」
あら?違うでしょ?
普通は「こんばんは~」とか「お話はどうだったの?」とかじゃないの?
ま~あたしが一発で当てちゃったもんだからきっとビックリしちゃったのね
「ってか、あんたずいぶんそこにこだわるわね?」
「だって、普通分かんないでしょ?」
「な~に、その彼氏との出会いが500円玉って事?」
「そうよ、普通に考えてどこをどうすればそこにたどり着くのよ」
「たどり着くのよって言われてもたどり着いちゃったんだから仕方ないじゃないのよ」
「いや、普通はたどり着かないって、私がヒントも出さないのにすぐに当てちゃうんだもん」
「あら、その事?」
「そうよ、その事よ」
「あはは、簡単な事よ、ちょうど机の上に500円玉があったから言ってみただけよ」
「え?そうなの?」
「そうよ、んじゃなきゃ出会いが500円だなんて言うわけないでしょ?」
「そっか・・・そうよね・・・そうだよね・・・」
「そんなの当たり前でしょ?」
「そうだけど、でもさ、もしかしてって?ちょっと思っちゃったからさ」
「思ったって何を?」
「もしかしてって?」
「な~に、もしかしその彼氏があたしかもしれないって思ったっていうの?」
「う~ん・・・なんとなくメールしてるとね、そんな気がする時があったから」
「あはは、あんたのバージンを奪った愛しい彼氏が今はオカマやってるって?」
「あっ、自分でオカマだって言っちゃてるし・・・」
「あはは、田舎だとその方が理解が早いのよ」
「でも、500円玉を当てられちゃってからずっとドキドキしてたのよ」
「なんでよ?」
「だって、そのあとすぐにおばあちゃんとかとお茶しにいっちゃうんだもん、気になるわよ」
「ふ~ん・・で、あたしがその彼氏だったらどうする?」
作品名:愛して欲しいと言えたなら 作家名:猫の雪遊び