赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 56~60
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (58)
クマタカ
『いい匂いがするなぁ・・・・』恭子の胸で、思わずたまが目を細める。
たまが嗅いでいるのは、イイデリンドウの花の匂いではない。
清子よりもはるかにふくよかな恭子の胸は、何とも言えない
いい匂いが漂っている。
『たまらんのう・・・』たまが、ニタリと目をほそめる。
ハクサンイチゲの純白のお花畑を縁どるように、イイデリンドウの
紫の花が咲き群れている。
「へぇぇ・・・たいしたもんだ。
お前にも、このイイデリンドウの清楚な香りが、わかるのかい。
偉いねぇ、たまは」
『いや。イイデリンドウの香りじゃねぇ。
恭子の胸は清子の胸よりはるかにでっかくて、すこぶる居心地がいい。
おまけに、ほんのり良い匂いが漂ってくる。
これが成熟しかけている乙女の匂いというやつか・・・・
なかなかに甘美で、官能的な匂いがするのう。いっひっひ」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 56~60 作家名:落合順平