赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 56~60
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (59)
草履塚と御秘所(おひそ)
草履塚(ぞうりつか)は、美しい風景が自慢の飯豊連峰の中において、
もっとも景観に優れたところと言われている。
参詣者たちの散米を集めて、甘酒を造る。これを分け隔てなく振る舞う。
さらに難所のための杖を貸し出した処として知られている。
草履という名前は、ここで新しいわらじにはき替え、心身を整え、
本社に向かった、といういきさつに由来している。
かつてはここにはき替えたわらじが、うず高く積まれていたという。
草履塚から難所の御秘所(おひそ)に向かう岩場の途中に、
姥権現(うばごんげん)と呼ばれる石の地蔵がある。
かつては女人禁制だったこの山へ、遭難した息子を探すため米沢から
「小松のマエ」という女人が入山した。
神霊の怒りにふれ、石にされたという伝説が残っている。
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 56~60 作家名:落合順平