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ライブとリサイタル

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 こうしてライブとピアノリサイタルを聴いて、ある程度共通点と相違点が見つかった。
【相違点】
 ライブではうるさいほど熱気が放出され、観客が激しく動き、終演後は熱が冷め、物販を買う人は並ぶ。
 ピアノリサイタルでは静かすぎるほど荘厳で、聴衆は微々たる動き、終演後は拍手によって熱が一気に放出され、物販を買う人は並ばない。
 別の書き方をするならば、ライブはアーティストと観客の間で目に見える相互作用を及ぼし合い、ピアノリサイタルは演奏者の奏でる音が聴衆に流入する一方で、聴衆が演奏者に何らかの作用を及ぼすことは少ない。
 また別の書き方をするならば、ライブは身体的な音楽、ピアノリサイタルは精神的な音楽といったところか。ちなみに身体的な音楽に精神的な音楽は含まれていると思う。もしくは逆に精神的な音楽に身体的な音楽が含まれているとも思う。両方のタイプがあると思う。実際見てそう思った。
 さらに別の書き方をするならば、ライブは「外部的」で、ピアノリサイタルは「内部的」だと思う。それは俺が他人を見てそう思ったのであって、他人は逆かもしれない。ライブは自身の内部から(自分から)ライブハウスという空間に向けてアクションを起こすから「内部的」で、ピアノリサイタルでは真剣に外部から伝播する音を聴くから「外部的」かもしれない。

 場所が、ライブは渋谷、ピアノリサイタルは東京オペラシティーであったこと。
 会場の周囲の様子。
 年齢層。
 当日SNSを使っていた人間の数。少なくとも年齢層に依存していると考えられる。
 物販の種類。
【共通点】
 心が揺さぶられた。
 音楽を聴いているなと感じた。
 物販を買った。記念にしたかった、すなわち記憶に残したかったのである。
 場所が東京。
 物販があった。

作品名:ライブとリサイタル 作家名:島尾