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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55

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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (52)
 下15里、中15里、上15里 3つも続く、15里の道


 『なぁ聞けよ。清子。オイラの話を。ひどいんだぜ、市のやつ。
 夕飯の時。旨そうなかつお節が出てきたんだ。
 かつお節はおいらの大好物だ。何も考えず、オイラも食いついちまった。
 今から考えれば、それが間違いのもとだった。
 食った途端。あれよというまに、眠たくなってきた。
 アノやろう。かつお節に睡眠薬を混ぜたんだ、きっと。
 おかげでぐっすり寝込んじまった。
 気が付いたらよう。なんだかゆらゆら揺れている、真っ暗闇の中だ』

 たまが、清子の胸元でさっきから愚痴をこぼしている。
オレンジ色のヤッケの胸元に、たまがすっぽり収まっている。
まるでたまのための、オーダーメイドだ。
ちょうどたまが収まるサイズの、ポケットが付いている。
このヤッケもまた、市が用意したものだ。