赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (51)
飯豊山登山口
小春が登山口のある川入まで、2人を送っていく。
川入から山頂の神社まで、往復で30キロあまり。
健脚なら早朝の2時頃から登り始めて、その日のうちに往復することもできる。
しかし。初心者の清子に無理は禁物ということで、たっぷり余裕をみた。
その結果。2泊3日という山あるきの行程になった。
「くれぐれも無理しちゃダメよ。
なにか有ったら迷わず引き返すのよ。お願いよ、恭子ちゃん。
清子は、目を離すと何を仕出かすか分からない子なの。
しっかり見張っていてくださいね」
30分で到着した登山口の駐車場で、小春がいまさらながら、
オロオロしている。
『あたしが準備してあげます』市奴が手がけてくれた清子の荷物は、
恭子のリュックサックの倍近い大きさに膨らんでいる。
「開けてみてのお楽しみが、ぎっしり詰まっているそうです」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55 作家名:落合順平