赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55
「別に構わないさ。パンツを履こうが履くまいが、清子の勝手です。
でもね。山へ行くときは別です。
何が有るのか分かりません。万一にそなえて下着だけはつけていきなさい。
遭難した時。下着を着けていないようでは物笑いの種になります。
だいいち。涼しすぎてあそこが、風邪などをひきかねません。うっふふ」
「そうですよねぇ登山ですもの、万が一という心配は確かにあります。
それではあたしも今回だけ、パンツを履いて登ろうかしら」
「おや?。10代目もパンツを履いていないのかい?。
なんだいお前さんたち。2人揃ってノーパンなのかい。驚いたねぇ・・・・」
「はい。清子に浴衣の着付けを教えてもらった時から、
わたしもノーパン党です。
黙っていれば誰にもわからないし、楽だし、快適です。
やはり変ですか。パンツを履かないと?」
「勝負パンツを履く年頃でもないし、特に問題などはないでしょう。
パンツを履かなくてはいけないという法律も、ありませんし。
しかし。山の夜は冷えます。
山に行くときだけはパンツの上に、毛糸のパンツも重ねて履いてくださいな。
女は冷えると後々が、厄介になります。
どんな場所であれ、女らしさを忘れてはなりません。
悪いことは言いません。
今回だけ、二重にパンツを履いていくんですね、二人とも」
(51)へ、つづく
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55 作家名:落合順平