赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (53)
プロラクチン受容体のはなし
登山口から歩き始めて2時間。
下15里、中15里、上15里の3つの急坂をそれぞれ無事に乗り越える。
すすむにつれて周囲に、大きなブナの木が増えてくる。
灌木の中に、ウドやタラの芽が見える。
可憐な花をつける高山植物が、ちらほらと姿を現してくる。
眺望が開けはじめてくる笹平・横峰の広場に、ようやくの思いで2人が到着する。
清子は全身にびっしょりの汗をかいている。
「清子。休憩中に、汗を拭いておくんだよ。
今日は蒸し暑いから、少し動くだけで汗をかく。
水はまめに摂っておくこと。そうしないとあとで、ばてる原因になるからね」
「汗をかいているのに、水をたくさん摂れというのは矛盾しています。
あっ・・・・胸の谷間をたったいま、冷たい汗が流れていきました!」
「嘘つけ。Bカップに、胸の谷間なんかあるもんか。
見栄を張るんじゃない。このペチャパイ娘が。うっふっふ」
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 50~55 作家名:落合順平