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もやもや病 10

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98 難病施策

1年に数回行くか行かないかの患者が、もやもや病が治ったわけでも軽くなったわけでは無くても、ただ病院に行かないという患者が多く居ると思う

でも、書面とか数字でしか判断しないシステムは、このもやもや病の患者を、軽快者と言うらしい
高次脳機能障害は、もちろん数字では表せないから、だから理解しない

もうずいぶん昔
もやもや病は特定疾患というくくりの中に居る
その特定疾患は40数疾患、希少性、原因が未確立、治療方がなく、予後が良くない・・・
というようなことで、日本独自のこととしてあった

次男が発症した頃は医療費は無料だった

それから改革があって一部自己負担の導入
最初は1000円から2000円
そして所得に応じた負担額へと変わってきた

東京の山側の方でこの制度があることを知らずに、一部自己負担になってからその手続きをしたという人が居た

ウイリス動脈輪閉塞症という病名ともやもや病が同じものだということを医師も誰も説明もなかったということ

東京の山側に近い方で医療講演を保健所がしてくれたとき
参加した人は、幼稚園の子どもが中学になるまで、初めてこの様な講演会のお知らせが来て参加したという

誰も何にも教えてくれなかったから
お子さんは、当時の養護学校に行っているという
病院にたどり着いても医師も看護師さんもこの病気がそういう制度があると教えてくれなかったら
保健所に行くことが出来なかったら、制度に乗り遅れる
病気がわかったばかりの一患者家族に、まず何をするというのか、この制度のことを探し出して自分で動かないといけないというのか

どんなこともこちらから動かないと、役所の方から何かしてくれるところは無い
ネットが無い時代も、今ネットを使わない人も、そう簡単にこのことを見つけることができたのかどうか

一部自己負担が所得に応じてとなったとき
掛かっていた病院の先生が、今のうちに手術しましょうかと、手術をされて、亡くなった方があった

これもひどい話だ、残された家族の方はどういう思いで居るか
手術の適期は医療費が掛かる掛からないでは無い
患者会も出来て30年が過ぎた
その間の活動を、最初の時からして下さっている方々に頭が下がる

厚労省に患者会の要望として書面にまとめ前もってそれを送っておき、その後日時を約束して話をしに行く活動も、もう何年前からになるのかわからないがしている

患者会がここにあることは良く知っていると思うけれど
ある日突然の新聞報道で、もやもや病の軽い人は軽快者という枠に入れることになったと報道された
もちろんそのときには他の疾患もいくつか一緒に軽快者ということになったのだが

そして27年の1月1日から新しい制度が導入された、法に守られているということで
そのときに、軽快者に書類が送られていないことがわかった

軽快者ということを受け止め方もみんな違った
1年に1回の更新手続きをしないですんでラクでしょうと、厚労省は言い
軽快者で治ったようなものだと楽観した患者家族

難病の研究班には遺伝子研究と患者数などの把握ということを含む疫学と臨床ということだと思う

厚労省は何かするたびこれは研究班の先生と話をしていますからと、言われてしまうのだけれど

新しい法律が出来て特定疾患は指定難病と言い方が変わりその中で3年の猶予期間があってその後どんな風に変わっていくのかが、ちょっと心配でもある

作品名:もやもや病 10 作家名:とことん