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もやもや病 9

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もやもや病という名前があまりに変わっている病名なので、それについては色々な思いをしてきた

講演会のお知らせを新聞とかにお願いすると、集まってこられた方の中に、数人の方が、気分がモヤモヤするのでということでこられた方も居た

おかしな名前なので、すぐに覚えられてしまいそうで、十人十色の症状の病気なので、たまたま他で知ったもやもや病の患者が、とても重かったり、知的レベルが落ちているような方のことを聞いたりすると、お宅のお子さんも大変なのね…と言われたりすることがイヤだという親御さんも居た

じゃあ、東北大学のこの名前をいち早く付けてしまったという鈴木先生という方より前に、ケリケリ病とかチリチリ病とかいう名前だったら良かったのか…それもイヤかも…

もやもや病という病名だけで、脳血管障害の病気と思う人は昔はいなかったんじゃないかと思う

ネットの中でも、脳外科の先生が、このよくわからない病気と、妙な名前の病気を取り上げてホームページを作っている方が結構早くからいらした
今も、きっと結構多くのホームページが出てくると思う、大学病院とか、大学の先生とか、総合病院の脳外科医とか
しばらく見ていないのだけれど…

で、ネットの情報は取捨選択しなくてはいけないと書いたけれど
個人の患者さんやお母さんが作るHPはそれなりと思っても、ドクターが作っているHPは、やはり一目置いてしまうのは当然のことと思う

でも、どんなにHPの内容が充実していても
そこの病院の先生に手術をお願いしても良いのかというと、それはみんながみんなそうではないということで
机上での論文はどんなに素晴らしくても
顕微鏡下で1ミリ無い血管をつなぐ手術は、HPの充実とは無関係で
0.5ミリとかいう細い血管を、10針から12針で縫い止めるという、吹けば飛ぶような細い糸、引っ張れば切れてしまい、ゆるく縫えば、血液が漏れるという、泣きたくなるような手術という、それを、HPの内容と一緒には出来ない

けれど、病気がわかって検索してそんな素晴らしいHPを見たら、ここに行ってみようと思うのではないか…
そこで納得のいく手術が受けられたのかどうか…

こんな事を書いていること自体、不遜なことかもしれないけれど
そういうHPの先生を、例えば患者会が講演会にお願いして、その先生は、患者会に呼ばれて講演してきましたと書いたら
会が、その先生を認めた形になるのではないか…
と思うのは、間違った考え方だろうか

この病気が、どこの先生が手術をしても、上手く治るという類のことならこんなこと書かない
手術をするなら、症例の多い先生
他の患者が良かったという報告の多い先生
術後の症状が良くなったという実績の多い先生にお願いしたいのは当然の思いだ

患者はその家族にとってはたった1人の人だ、かけがえのない
頭じゃなければどこを切っても良いというわけではないけれど、でも、コンピューターと言い換えられるような頭のこと、その大切な部分にメスを入れるということ、やはり、もっと悩んで、真剣に考えなくてはいけないことだと思うから

患者が頼って、先生の前に座ったとき、多くの先生はそれを受け止めるわけで、僕より、○○先生の方が症例が多いから行ってみると良いよとは、言ってもらえないのだから…

作品名:もやもや病 9 作家名:とことん