もやもや病 9
90 こどもの難病シンポジウム
8歳の重症心身障害児のお母さんのお話は、本当に素晴らしかった
何度も役所に足を運んで、子どもを地域で育てたいという思いの活動
小学校に上がる前は、親が一緒の保育の場しかなかったので、お友だちもみんなお母さんが仕事を辞めて通ったけれど、子どもの保育の場ということと同時に、親同士の交流の場でも有ったようなお話しだった
仕事を辞めたことはきっと大変だったと思うけど、この時間はやはり大切な時間になるのだと思う
小学校の子ども達はまだ柔軟な心だから、わからないことをストレートに聞いてくるけど、お話しすればそれ以上のことは聞かないし、対応になれてきて、一緒に何かするというときの協力体制が出来てくる
この小さな子どもたちと共に大きくなることがきっと良いのだと、私も思いながら聞いた
地域で生きると言うことは、周りに、友だちも居る、あの子はどこの子とわかっている、スーパーでも、どこでも、あの子が大きくなったというようなつながりが持てる
大きな病院に通院していても、近所の病院にも行って顔をつないでおく、薬局も近所の薬局に行って薬のことをわかっていてもらう
そういうお話を聞いて、うんうん、と思った
私の知っている人は1時間半も掛けて、支援学校のバスが生徒を迎えに来る
そういう通学が終わって18歳で地元に生活していても、近所に誰も友だちが居ない
たとえば、映画を見に行くような友だちも出来ないと、寂しがっているということ思い出しながらお話を伺った
若いお母さん、8歳と言えば、私の娘と孫と言っても良い年代の人を、まぶしく思った
もう1人
しぶたねという団体の代表で
これは、病気の患者のきょうだいたちの心のケアをするという団体で
病気のきょうだいが居たら、お母さんは病気の子どものことばかりで寂しい思いを強いられる
弟妹が病気ということはその上の子も下の子も、まだまだお母さんが必要な年なのに、思うように甘えることも出来ない
病院の長い廊下の隅で病棟に入れない子どもは1人で待つしかない、そういうこどもさんたちを、カーペットを敷いておもちゃを用意して、遊びながら待つということをしてくれるという・・・どんなにありがたいか・・・
大きくなったときに、違う病院なのに、何かで病院の廊下を見ただけで、昔のことを思い出して泣いてしまうようなこともあるのだと・・・
20年の電話相談の中で、患児のことで大変なのはわかっているけど、我慢しているはずの上の子下の子にも、今日はあなただけのお母さんという時間を作ってあげてと、何度もお話ししてきたけれど
そう言ってきた私の娘は
18歳で家を離れ東京の大学に入り、彼が出来たとき、甘え方がわからず、それでも甘えたくて、甘えたら、重いと言ってふられたと、まあこんな簡単なことではないけれど、そういうことがあったこと、まさしく、しぶたねという活動の内容に合っているような
お話の仕方もとても良い感じで、あっという間の時間だった