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もやもや病 8

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79 ご夫婦

以前の交流会の時
一番気になったのは、ご夫婦で来られた人だった

35才の時奥様がろれつが回らなくなって病気が分かったと言うことで
半身麻痺と言語障害があり、知能の低下もあると言われていた

3年たって、いまもリハビリは言語と作業療法をされているけど
難しいことを言っても理解できないと言われていた

奥様が38才なら、ご主人もそれに近いお若いご夫婦で
頭に6ヶ所穴を開ける手術をされたと言われていた
私のすぐ側に座っておられたもので、お話を伺いながら、ご主人様ご苦労されているのだろうなあと、とても切ない思いがした

この病気は、本当に十人十色
何度もこのことを言いながら、こんな症状のご夫婦に会うと、何でこんな事になってしまったのかという思いをずっと持ってこられたのだろうと思う

どんな病気も誰がなっても良いなんて事はなく
年齢も、性別も、親も子も、誰なら病気になっても良いなんて事はない

辛い思いをどこかにぶつける場所があの2人にはあるのかしらと思ってしまう
大きな穴を掘って、そこに思いをぶちまけることが出来たら、それだけでも良いかも知れない、返事が無くても、言っても良いという場があっただけでも良いかも知れない、そんな場所を、見つけて欲しいと思う

身内でも、友達でも、いつも会うたび病気の話しはやはりその場がしずむ気がして
聞いている方も、またその話し?とは思っても言えなくて、気の利いた言葉が言えなかったら静かになってしまうしかない

だから、そんな時のために、身内や友達とは違うところで、病気の解る人同士で話が聞ける言える場が欲しいと思うけれど・・・
患者会の電話相談がその役割を果たしていてくれたらと思う

交流会でも重いことは言いにくいとか、軽いから言いにくいとか思う方が多いようでも、共通点は同じ病気
今後の不安を思うとき、今の状態を話すとき、そのことに違和感はなく、少なくとも思いの分かり合える私達、言葉の使い方に誤解があっても、そこを何とかよく解釈していけたらと思う

どこでお会いしても気になる方が居るけれど、その方々に、どこかに居場所が出来るようにと、願っている

作品名:もやもや病 8 作家名:とことん