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もやもや病 8

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77 医者選びも寿命のうち 

私が勝手に思っている事なので、もしかしたら見当違いの考えかもしれないけれど…

子どもが、頭が痛いとか、脱力発作が出たときに、最初に、小児科に行くが、これが脳外科関係の病気かもしれないということになると、小児科の先生も、大学病院を勧める

総合病院にかかっていても、やはり、難病というようなことになると、大学病院のほうがと紹介されることもあると思う

けれど、この大学病院に入ってから、ネットでの相談や電話相談が入ることもよくある
日本に1万人しかいないというような病気の場合、大学病院といえども、この病気を診たことがあるという先生はやはり少ない…

先生方の机上での勉強としては勿論よく勉強されておられると思う、けれど、とにかく、脳血管疾患というとき年齢や、患者の個々の血流の足りない部分、脳梗塞、脳出血の場所により、症状がみんな違う

やはり患者側としては、多くの患者を診ている先生に、治療をして欲しいと願うものだ

けれど、大学病院は、患者が頼ってきた最後の砦のようで…
先生方は、ここでしっかりと受け止めて
この病気のことはよくわからないから、診るのに自信がないなどとはおっしゃらない
一生懸命取り組んでくださる

でも、患者会とか、ネットとかで知識を得れば、多い症例の先生をと願うのも、患者の思いだと…

大学病院から、他の先生を紹介しましょうと言うのはとても少ない気がする

そうではなくて、患者側から、せっかく良くしてくださる先生が気を悪くされないだろうかとおそるおそる他にこういう病院があると聞いたのですが、そこに転院してみたいと話をすると、セカンドオピニオンが、理解されつつある今は、わかりました、紹介状を書きましょうと、言ってくださることも多くなったようだ

私たちは、先生のことをとても大事に思い、こんなに最初に良くしていただいたという感謝の気持ちはとても大きい
それでも、たった一人の自分の子ども、自分は最善の道を選んだという満足感が、今後の生活に関わってくる

他の病院で良かったという話を聞けば、もしもなにか問題があったとき、あの時どうやってでも探せば良かったという思いにつながるだろう

難病はつらい、完治しないから難病と言われる
どこの病院を選んでも、トラブルもある、個人差もある

それでも、たとえ手術の後で大きな後遺症が残っても、自分は最前の所と信じて、この先生に託したという思いは、これからの自分を支えてくれると思う…

大学病院は、行き止まり…
他に動くときは、患者側が自分で探してくるものかもしれない
先生に、きちんと自分の思いを伝えて、わかっていただけるようにお話ししたいと思う
医師選びも、寿命のうち
これはラジオ番組で言っていたあるお医者様自身の言葉だ…

うるさい患者は治ると言うと聞いたことがある
どんな病気もと言うわけではないだろうが…

私達は長いこと、病院の先生と普通に会話が出来なかったように思う

昔は診断をされて、一方的に指示をされて、質問をするようなことはなかったような
医学のことをわからないものは専門家の言うことを聞いていれば良い、と言うような威圧感を感じたと思う

難病の確定診断がつく前に、発作が出て、顔がゆがんだ子どもを連れて行った病院で、お母さん育児ノイローゼじゃないの?と言われたという親も居る

でも今はちょっと変わってきたように思う
うるさい患者というのがどういう意味かというのは、ただ訳もなくうるさいのとは違う

この薬の副作用は?今後の治療の方針は?このままにしていて大丈夫なのか?
どれもこれも普通の疑問だ、でも、言われるままに、はいはいとわかったような顔をして聞いている患者を、先生は決して良い患者と思わないと思う

自分の子どもをどうにかして助けて欲しいと訴えることが、先生の何とかしてこの子を助けてやろうという気持ちにつながると思う
この?に答えようとすれば、先生も頑張って勉強をしてくださるだろう
一緒に頑張ろうという姿勢になるだろう
わからないのにわかったような顔をして、ハイハイと言うだけでは、先生だけの努力になってしまいそう…

先生を信頼しています
先生を頼りにしています
先生が好きです
というサインを顔や目や態度で送り続けようと言っている事は、ただのうるさい人ではなくて、病気と共に戦う同士だと思ってもらえると思うから

文句を言ううるさいじゃなくて、向上心のある、互いに認め合う、うるさい患者になりたいと思う

病院側が、患者様という時代(この患者様という言い方好きじゃないけど)、患者側も、先生に思いを語れるようになりたいと思う

作品名:もやもや病 8 作家名:とことん