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もやもや病 8

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76 心のケア

このごろやっと、事故などで、ショックを受けた人たちに、心のケアーをすることが取り上げられるようになった
でも、これは、テレビなどで取り上げられる、被害者が大きい数とか、とても悲惨なときのことだけなのかな

子どもの難病は、生まれながらの場合もある、次男のように少し大きくなってからのこともある

病気ですと、それも大変な病気ですと宣告されたとき、このショックな思いは誰にも何にもしてもらえない、ただ1人で耐えなければならないことなのか

私は、カウンセリングを受けたいと思って、病棟の看護師さんに相談もした、看護部長で、看護師さんの先生を経験された方に話も聞いてもらった

けれど、1つとして、ああ聞いてくれたという気持ちにはなれなかった
こんな風に変わってしまって、集中力がなくなって今までとこんなに違うんですと言っても
「そんな子どもさんは、今時みんなそうですよ、かえって親の言うことを聞いてくれて良いじゃないですか。」・・・

病気の形態も、親の気持ちも理解できないのなら、何も言わずにいて欲しかった、ただ聞いて欲しかった、それも出来ない中で、私は、患者会によりどころを求めたのかと思う

例えば、テレビで取り上げられるような、事件に巻き込まれた子どもと、子どもを亡くした親と、現場でそれを見てしまった子どもに、カウンセリングは大事だと思う

それをすることの足を引っ張ろうとか、思うのではなくて
その1人1人が心に傷を持ったように
おぎゃあと生まれた子どもに病気があったときも
子どもが大きくなって患者になったときも
「僕はどうしてこんなに辛い思いをしなければならないの?」と思った患者にどうして手厚いケアーが出来ないのかと思う

病気の子どもが生まれたといちいち新聞テレビに出るようにすればそれは大変と、どこからか支援が来るのだろうか…
カウンセラーが力を貸してくれるのだろうか
1人1人の人の思いは誰と比べようもなく同じようにだいじなものだと思うのに
私達は、難民でもない、この国に生まれた国籍のある者で
税金だって払っている
困っていると言うことを国を司る人に聞いて欲しいと持っていくことが、そんなに難しいことだろうか

ここのどこにいる人たちも、その子どもに病気がある子どもが生まれるかも知れないと言うことは同じ条件なのに
何かをしたから病気になるわけではないのだから

自分の家族に病気がなかったら、それを良かったと思ったら、どこかで病気のある人に、その良かった分を手厚くして欲しいというのは、それほど甘えた考えなのかな…

私は自分の立場も、どこにいる人の立場も同じだと信じている
人間に偉い人も偉くない人も居ないと思っているから

作品名:もやもや病 8 作家名:とことん