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もやもや病 7

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65 孤独は辛い

25年前、患者会の存在は知らなかったけれど
私には夫の母が居た
寝たきりの夫の妹を見送った夫の母が居た
病気のことをどうしようというのではなく
母の声が聞きたかったから電話をすると
どうしたんだい?と言う言葉に
声が聞きたかったからと、素直に言うことができた

母は昨日のこと、日常のたわいのないことを話してくれるだけで良かった
ありがとう、じゃあ電話切って病院に行くから
そう言うと
あんたは大丈夫かい?
いつもそう聞いてくれて
大丈夫、私はいつでも泣けるから、泣けない夫が可哀相、そう言うと
そう思ってやってくれるかいって
母が言った

誰かに気持ちを話すことができたら、きっと少しは違う
だから患者会がある疾病ならもしかしてまだ話ができるだけ良い
日本の患者は数人しか居ないとか、同じ病気の患者さんと巡り会いたいという問い合わせをするような疾病の場合のことは本当につらいだろうなと・・・

病気や子育て、介護のまっただ中に居たら、難病のような病気じゃなくても、多くの患者が居るような病気でも、その中のたったひとりのその人にとっては、つらいという時間に居るのだろうし

なんとか話をできる場所が見つかると良いなと・・・
きっと話をするって良いことだと思うから
孤独ってつらいよね・・・

作品名:もやもや病 7 作家名:とことん