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もやもや病 7

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62 電話相談

長いこと電話相談を受けてきた
最初は、受ける電話にどうしようと困ったこともあった…
自分の言ったことに間違いはなかったかと、何度か本部にこんなふうに対応したけれど大丈夫だっただろうかと聞いてもみた
でも、電話を受けた自分と相手のニュアンスを本部にそううまく伝えられるものでもなくて、そういうふうには言わない方が良いのじゃないかと指摘されても、反省と言うよりがっかりすることの方が多くなって、いつの間にか連絡をしなくなった

思いは、自分がこの電話の方だったらということだけ…
時がたてば、それは患者さんが、私の子どもと言うより、兄弟だったり、親だったり、孫かもしれないという年齢だったり…
そのつど、かけて下さる方が、私の妹だったら、私の子どもだったら、こういうふうにすると思うと伝えるようになって…

どんなに、情報として伝えても、選ぶのはご本人とご家族だからと
それは本部からも危険な発言をしないように、ここしかないというような言い方にならないように
もしも、○○さん(私のこと)に聞いて、どこどこの病院に行ったけれど、手術がうまくいかなかったなどということがあったら、危険な言い方になりかねないからと、何度も注意を受けてきた
でも、電話をかけてこられる方の多くが病院のことで悩み、思うような説明を受けられないというとき、遠くの病院であっても、ここは症例の多い病院だからと伝えたくなる
それは複数言うようにはしているけれど、その中のどこが良いのかと何度も問われたこともある

ご本人、ご家族に選択して欲しいと言いながら
それをわかりますと返事を頂きながら

○○さんに紹介していただいた○○病院に行って無事に帰ってきましたなどと言う会報の手記を見ると、これだけ見たら、私がここに行ってきなさいと言ったようにとられるのだろうな…と思ったこともあった

こちらから連絡をする必要が出来たとき
お母さんに連絡をしたいとき患者会の名前を名乗って、「は?」とおばあちゃんのような方に言われたとき
もしかして、患者会に入っていることを知らないお姑さんに名乗ってしまったのかもしれないと心配をして
次からは患者会の名前ではなく名字だけを名乗って電話をした…
その名前が誰かわからないような感じの方でも、お母さんとわかったり患者ご本人とわかったときに改めて患者会の名前を言うと、ああ、はいはい、というような感じで…

そんな気の使い方も最初に大丈夫だったかと心配したときから、2度と失敗しないようにと思った^^
そう、その時も、お母さんにかわって頂いたとき、おばあさんに会の名前を言ってしまったけれど大丈夫だったかと確認をして、ニコニコした声で問題ないですよと言っていただいてほっとしたのだけれど

学校の理不尽な対応に、私がそれはひどいと怒ったとき
私より、○○さんが怒ってくれて嬉しいと言ってもらえたお母さん、○○さんが怒ってくれて少し気分がさっぱりしましたと笑って下さったりして^^

会で仲良くしている方の代わりにと、訃報を連絡して下さったお母さんに、何でそんなことになるのかと、泣き出した電話もあったりして…お友達という方も私が泣いて驚いたのかもしれないけれど

でも、そんな電話の1つ1つが、本当にどういう訳か私の元気が落ちているときにかかってきて
その電話で、私は自分がどれほど助けられていたか
知っていることは思いっきり伝えよう
あのとき○○に電話したのに、そのことは教えてくれなかったと思われることのないように、もしかしたら迷ってしまう内容でも、耳の隅に、もう1つの考え方というのが残っていてくれたら、もしももう一度電話をして聞いてみようと思ってくれたら…そんな思いで、知っている限りのことを伝えようとしてきた

そういう電話で、いつの間にか私の元気が戻っている、そんな感じだった

全体会議で、他のブロックの人が、こういう電話に困るとか、それには答えられないとかいうのを聞いたとき、そうなのかな…どうしてかな…と思いながら、私の電話の方が危ないのだと指摘されて何も言えなかった

相談電話はほとんどが30分から1時間…
お仕事を持っている方にとっての夜の時間のそれは負担なのかもしれないけれど、いつでもOKの私は、子どもが学校に行っている間に電話でちょっと不安を少なくしてお帰りなさいが言えると良いねって思ってきた
作品名:もやもや病 7 作家名:とことん