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もやもや病 7

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61 新聞の投書から

古い引き出しの整理をしていたら、真っ黄になった新聞を見つけた
何でとっておいたんだろうと思ってみたら…

医療関係の相談というか、投書のコーナーがあって
もやもや病といわれたけれど、主治医は、危険だからとか、様子を見ましょうと言って手術をしない方針といわれた…
患者会に相談の電話をしたら
症例の多い先生を紹介してくれて
無事に手術ができたけれど、見つかったときより症状が進んでいると言われた、医師の対応の違いについて考えさせられる…

というような内容だった…
ああ、それでとっておいたのかと思ったけれど、捨てた、もうコピーとるほどのこともない…

そのときの答えは
医師に言われるままじゃなく、患者も家族も勉強しないといけない、患者会は情報を持っていることもある、という感じのことが書いてあったと思う…

って捨てちゃってから思い出しても、おかしいけど

こういうことが投書とか何とか、みんなにわかってもらえたら良いな
私は何回も思ったけど
患者会活動は、厚労省にうるさいと言われるような立場のものじゃないはず
保健所でも、病院でも聞いてもわからないような情報を、公的機関の代わりに情報発信しているところじゃないかって思うから

実際、保健所からの問い合わせだってずいぶんあったのだから…

難病なんて名前がなくなることが医学の進歩のはずなのに
どこの病院に行っても格差なく、ちゃんと有効な治療をしてもらえるなら、差別のない社会なら、患者会はいらないのだから


もやもや病の子どもを育てているとき、泣かないようにするというのはもうどうしようもない制約で…
もちろん手術をして順調にいけば泣いても大丈夫と言うことにもなるのだけれど…

でも、とにかく過呼吸の発作が起きないようにと言うことで親はずいぶん甘やかして子育てをするという
そのことを仕方がないと思いながら、こんなに甘やかしたらいい子に育たないんじゃないか、すぐ甘えて何もできなくなるんじゃないか
ずっとだっこしてと言うけれど、だっこしてても良いのだろうか…

そんな悩みを持つお母さんがいる^^

大丈夫、子どもはお母さんがずっとだっこさせてと言っても、元気になったらどんなにきつく抱きしめていても、お母さんの腕の中からするりと抜けて出ていくもの…
それが子どもなんだから…

お母さんの膝の上よりもっと広いところに何かがあって、楽しそうで、そこに行くためには、もがいたってお母さんから離れていって見たいもの
そしてまた、疲れたら、つまらなくなったらお母さんのところに帰ってくる…

このまま甘えん坊になってしまうのじゃないかなんて思わずに、甘えたいときには、甘えたいなりの症状や、心の中に何かあると思って抱っこしてあげよう…

長い子育ての時間、抱っこしていられるのはほんの短い時間なのだから

そんなふうに電話で言うと、お母さん、笑った声で、そうですよねって^^

抱っこしていたいと思うには、それなりの意味がある
甘えていたいと言うときには、甘えたくなる不安があって、小さな子どもに発作の不安をどう言葉にすることができるだろうか

不安な思いを甘えるという仕草で親のそばにいてそれを受け止めてもらえた子どもが良い子にならないわけがない

こういうことって、大人も子どももきっと同じ…同じよね

作品名:もやもや病 7 作家名:とことん