小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

もやもや病 6

INDEX|4ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 


54 患児のきょうだい

患者を取り巻く家族関係はいろいろなことがある
その中でも思うのが患者が子どもでそのきょうだい関係のこと

これはいろいろな病気の関係でもあると思うが、身体的な問題だけの病気と、知的レベルに関係する病気の時と、問題が違うかもしれない
親も、3,4歳の小さな子どもが、難病になって、とてもショックを受けるが、2番目の子どもを産むかどうかは大きな迷いになることもあるだろう

生まれたときから難病とみんなわかるということではないから、病気によってはある程度まで大きくなってわかることになったり
そしてそれがわかったときには、2番目の子どもが居ることも多いと思う

上の子どもがまだ小さいうちに難病とわかり、2,3歳離れて下の子どもがいるということもある
下の子どもを見ながらまず思う親の気持ちとしては、なんて育てやすい子どもというのが実感で
上の子を泣かさないようにしてきた苦労があると、下の子が泣いても良いという思いは、どんなに楽なことかと思うこともあったりして

例えばお兄ちゃんが患児として、そのお兄ちゃんに、梗塞が起きたり、知的レベルが少し遅れたりすると、下の子は、3歳離れたお兄ちゃんといつか逆転するのか

親の思いも、泣かせても良い子、病気がなくて手の掛からない子としての下の子の扱いは、ごく普通の子育てだと思うのですが、これも又親のタイプによって違うので

病気の子どもしょうがいの有る子どもの親として、その子ばかりに思いが行く親もいる

それでも病気のあるお兄ちゃんのことを兄弟として心痛めている下の子のことを理解していたら、患児以外の兄弟のこと、きっと大丈夫、親のガンバリをちゃんと子どもは見ていてくれると思う

私の3人の子どもも、中1,小5,小2のその年に、真ん中の子が病気とわかったけれど、こういう年齢の見つかり方はとても多いと思う
患者は当然大変な嵐の中にいるが、上の子も下の子もその嵐の波を受けないわけにはいかない

たよりの親は、その患児に夢中で
親が居ない間お祖母ちゃんに預けている入院期間中も、気持ちが安定しない子もいると聞いた
退院して落ちついてきたら、病気のないはずの下の子に、チックの症状が出たという子も居た

頭が痛いと何度も言って、MRIをとって何ともないと先生に言われてはじめて落ちついたという兄弟も居た

大学生になったと同時に、自立して家に帰りたがらない人も居る
いつの間にかしっかりしたという思いのなかで、お母さんはおねえちゃんだけを見てきたでしょう、と、ぽつんと言われて、その子の寂しさにはじめて気がついたという人も居た

子どもは何でもわかっている、わがままを言っても良いときと、我慢しなければいけないときと、親を見ていたら、患児を見ていたらわからないはずはないのだろう

親も病気のない子に甘えれば良いと思う、1人で突っ張っていないで、甘えたら、きっと優しい顔をしてみてくれると思う、家族なのだから

当たり前のようにしていても、時間を見て親の気持ちを伝えて欲しいと思う、あなたがこんな風にしてくれたとき、とても嬉しかった

あなたが自分でこうしてくれたとき、わかっていてくれるんだなあって嬉しかった

本当は、あの時こうしてあげたかったのに出来なかった

あなたも寂しいだろうなあと思った

そう言うことの1つ1つを出来ればその時に、少し時間が経ってでも、ごめんねとか、ありがとうね、とかいう思いをどうぞ、患児以外の兄弟にもお話ししてあげて欲しいと思う
その時間は、その子どものためだけでなく、いつか親の思いをホッとさせてくれるものだとも思う

こう、お母さん達にお話しして
実際、私は、最近になって、娘に、甘えられなかったと、しっかりしなくちゃいけないと思って、甘え方がわからなかったと言われてしまったのだけれど…

作品名:もやもや病 6 作家名:とことん