もやもや病 5
46 意味のあること
どんなことにも意味がある、どんなことにも無駄はない
そう思ってきた…ずっとずっと…
確かに、困ったことでも、その先には何か経験したという形でつながってきたこともいっぱいあった…
このための経験だったのかと、無理矢理にでも納得させてきたかもしれない、自分を…
患者会を通して、どのくらいの悲しい話を耳にする経験をしてしまったことか
私が、家にいて、家族のことだけを見ていたら、耳に入るはずの無かった悲しい出来事を、他の人の話と割り切ることができずに、身につまされて聞いてきたこともある
可愛い彼女が居たのに、倒れて亡くなった人も居た
結婚が決まっていたのに、倒れて後遺症が残った人も居た
赤ちゃんを産むという一番素敵な時間に倒れて産まれたばかりの赤ちゃんをおばあちゃんに託して逝ったママもいた
これからの夫婦の時間を考えていくときに、子どものようになった夫を支える中年のご夫婦もいた
この方々の、どこに、どんなことに意味があるのか
なにが、どんなことに無駄がないのか…
私は、夫の母の関係だった、商売繁盛のお稲荷さんをまつってはいる
夫の母と父と妹と最初の子どもの水子を仏様として守っても居る
けれど、特に信仰心と言うこともなく
八百万の神様が居たとしても、この神様にという信奉はない
ただ、何かに向かって、ありがたいという思いは持っている、それが八百万の神様なのかもしれなくて、それで良い
私は、恐がり…
いつもいつも、思ってはいけないような怖いことを思ってしまって、それに恐れて、鶴亀つるかめと何回もとなえることになる…
小説よりも奇なりの人生を垣間見てしまうことが多かったから…
子どもの頃からそう思っていたのにそれに輪をかけて、平凡であることの幸せを思うようになった
何かに飛び抜けてどうということなくて良いから、平凡な幸せを、平凡な誰にでも有る最小限度の不幸を…
なぜに、子どもが倒れて、目の前で話すこともできずにいる姿を親が目の当たりにしなくてはいけないのか
そのことに、どんな意味があるのか…
つらいですね…という言葉の他に何もない…