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もやもや病 4

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35 手術後の電話

昨日、スーパーで買い物して、レジにいたら電話が鳴った
車に戻りながら、電話をかけ直して
つい1週間ぐらい前に、手術をした人から、病院の中からの電話だった

嬉しかった、一流の先生の手術なのだから心配はしていなかったけど、電話はいつもらえるかな?って思っていたから

術後2,3日はちょっとしんどかったらしいけど、お元気な声が聞こえて、ああ良かったって^^

簡単に手術と書くし、手術受けるのがほとんどだからとか、電話相談でもお話しすること多いけど

そして次男のように、10歳とかの子どもだったら
次男君、手術受ける?とか、受けたくない?とか、聞いてる場合じゃない^^

怖がらせないようにさらりと手術の運びとなる

けれど、成人した大人の場合
何かおかしいと受診して、あれよあれよと、病名が着いて、他の病院に転院になって

手術しましょうと言うとき
怖いのは当然のことだ、だって周りに、頭を開ける手術の経験者などほとんど居ないのだから

老人と言われてしまう年齢の方の手術もまた、最善を考えれば、中年とか若い人の手術とはまた説明も、心の内も違うのではないかと

だから、病院を選んで、手術ということになって、先生の説明を受けるとき、誰だって、逃げ出したいような怖さを思うのだろう・・・

頭の手術というのがまた、自分には関係ない世界に居るつもりだったのにと
頭の手術という言い方も、良い意味合いにはとれない
ちゃんと言えば、脳血管の手術なのだけれど
何も大脳を切り取るとかそういうことではない

怖さという思いの中には、もしも万が一、目が覚めないようなことがあったら
もしも問題があって、手や足に後遺症が出るような事態になったら
もしも、今までの生活に戻ることが出来ないようなことになったら

そういうことが、ちゃんとした怖さという形ではなく、曖昧に、頭の中に居座るのだろう・・・怖いという言い方でしか表現できずに

どんなに、脳という場所はいじっても痛みのない場所だからと言っても、寝ている間に頑張るのは先生だからと言っても

手術ということへの恐怖は誰だってある

私は何人もの人の相談を受けることはあっても、手術をするのかしないのか、手術をしても、そのあとがどんなだったのかと言うことを聞くことはなかなか少ない

この恐怖と言うことだって話してくれた人は居ない

だから昨日の電話の入院病棟にいる間の電話は、もしかしたら初めてのこと

○○さんの、大丈夫という声が聞きたかったの、と言ってくれたその人と、家までの帰りの車の中で話しながら
ほんとに良かった、と思った

入院中に、私に電話など掛けてもらわなくて良いし、何もしてあげられないし
電話をして欲しいと言うことではなく、その日1日、病院という流れの中にいてしんどいことだって有るだろうから

そして、特別話がなければ、それはきっとそれで良いのだから^^

怖がってしまったことを恥ずかしそうに報告してくれたけれど
そんなの当然の怖い思いだったのだからと

無理をしないように、まだもう片方の手術が残っている、頑張りすぎないように、でも、そのかわいらしい奥さんの元気を家族中が待っていること、一番良く知っている人だから

良かった^^

作品名:もやもや病 4 作家名:とことん