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もやもや病 3

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26 旅行中に救急車

初めての東北旅行に行って3日目の朝
八幡平のホテルに泊まっていた

朝5時、次男がウォーというような大きな声を上げた
そのすぐあとで、戻すようなオェッという音を何回かさせた
私はベッドで戻すかとバスタオルを持ってベッドのそばに行った
目を覚まさない
これって意識が無いってこと?

一緒の部屋の友だちも、頬をたたいたりして声を掛けてくれたけど、目が開かない
いびきのような音がゴーゴー

脳卒中、と思った
119番をして、もやもや病という病気があります、脳外科のある病院にと伝えた
何回も、今居るところと、年齢と名前と聞かれて

救急車が向かっているという間に、5時30分、次男が目を覚ました
目がきょとんとしているけど、気がついた

ホッとした、どうなるかと思った・・・

救急に電話したけれど、搬送するかどうかは救急隊の隊長の判断でしますという
到着するのに30分ぐらいかかって、5時45分頃救急隊が来てくれた
酸素が足りないのでと、酸素をセットして
ベッドから寝たままビニル製の運ぶ担架のようなものに載せて4人がかりで次男を救急車に乗せた

救急車に乗って、連絡しているのを聞いたら、そのときの為に来てくれた救急の援護隊のようなものがあるらしい
家の方にある消防団のようなものか、朝早くから患者を乗せる為だけに来てくれる人たち、ありがたい

1時間ぐらい掛かって病院に行きますという連絡と私への説明だった

脳梗塞だったら3時間のタイムリミットで、点滴で梗塞部分をなんとかしてくれるという治療に間に合わないというのが、電話を掛けたときに頭をよぎった

でも、30分で目が覚めたら、それは救急車を呼ばなくても良かったことだったのかと、思いながら、救急車に乗ったのは2回目だと思いながらいた

当直が脳外科の先生という、大きな病院について
先生の見立ては、てんかん発作じゃないかと言う、戻さなかったけど、口に唾液がたまって泡のようになったことを伝えたからか・・・なんて思ったりして

一過性脳虚血発作(TIA)ではないのかと聞いたけれど、てんかんだと思うという
CT検査をして、特に異常が無いということで

てんかんの為の点滴をして、外来の時間になったら脳波を撮ります、その後で判断しますという説明だった

次男は大きな声を出したことも何も覚えていなくて

脳波を撮る1時間ぐらいの間に、友だちが荷物を持ってホテルから来てくれた、朝用にパンも買ってきてくれて
食べながら待った

脳波の結果は、特に異常が無いと言うこと、紹介状を書くので主治医に診てもらって下さいという、明日帰る旅行はそのまま続けて良いでしょう、と言うことだった
会計は、13,000円とちょっと、という額だった

助かった、これで入院とか、帰れないとか言うことになったら、格安パック旅行だったから

その後、次男もパンを食べて、車に乗って、半日遅れた行程を走って次の宿に向かった

時々参加するバスツアーじゃなくて良かった、その旅行だったら離脱して自分たちで帰らなければならなかったか

その後、次男は特に変わりなく
帰った翌日、主治医の所に行った

受付で紹介状を預けたので、診察室に入ってすぐ、大変だったね、と先生・・・

でも、2時間前にてんかん発作を起こしていたら、脳波にはまだ異常があると思うし、てんかんじゃ無いと思うけどなあ・・・治療というか薬を飲むというのはしないでおこうと、TIAですよね?と言うと、向こうの先生はTIAじゃないと言われたけど、もう血管そのものが梗塞で健常な脳の血管じゃないから、TIAをおこすことはないということでも教科書通りにはいかない、なにがあってもおかしくないという説明に、納得した

こんなふうに救急車を呼ぶのは良くなかったのかと、つい主治医に聞いてしまったけれど
何かあれば遠慮しないで呼べば良いし、旅行に行っちゃいけないなんてことは無いから、と言ってくださった

主治医に会うとほっとする^^

次男は運ばれたときから肩からの脇の半身が痛いという、緊張したのだろうと、元々緊張しているからと飲んでいた薬をもらってきた

良かった、大きな事にならなくて、ほんとに・・・
病名が着いて26年、今頃何かあったら大変という思いと、こういうこともあり得るという思いの両方、でも、3人で旅行している友だちが、これで懲りたりしないから大丈夫と言ってくれたのも嬉しかった^^

作品名:もやもや病 3 作家名:とことん