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もやもや病 2

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17 毛深い

ずいぶん前のことだけれど、朝8時半、次男を職場まで車で送って行きながら、道路の端に自転車を置いて横になっている男の人を見た
「こんな時間に寝てるのかなあ?まさか倒れてるんじゃないよね」、と次男と話しながら、まあ手枕をしていたし、お年寄りというほどではなさそうだし、と通り過ぎた

次男に言った
「男の人はね、いつも身ぎれいにしていないと、ホームレスとか酔っぱらいとか思われたら、誰もどうしたんですか?って声を掛けてくれないかも知れないから、頭もきれいにして、ひげもちゃんと剃っておきなさいよ」と…

脳血管の病気がある限り、これから親の私が居なくなってもどこでどんな風に急な脳内出血を起こすことも有るかも知れない
女性なら、誰かが駆け寄って、大丈夫ですか?と救急車も呼んでくれるかも
でも、怖そうに思える男性だったら、そのまま置かれたら困る

次男は我が家でただ一人とても毛深い
夫の両親も、私の両親も、毛深い人は居ない、兄弟も

以前、患者会の関係で抗けいれん剤を飲んでいる患者さんのお母さんに、抗けいれん剤を飲んでいると毛深くて、女の子なのにとても困るという話を聞いた
その話を初めて聞いて、次男の毛深いことに納得がいった

その後、ネットでお薬のことを教えて下さる人に、この質問をしてみた
「抗けいれん剤を飲んでいると、毛深くなるということはありますか?」という質問に
お薬の副作用は、患者側が、主治医の先生に訴えたことが、集められて、この薬の副作用がこういう事もあると報告される場合もあって、これを訴えていく人が居ないと製薬会社にデーターが上がらないということになると教えて貰った

そういうことなのかと妙に納得がいった

毛深くなったとわざわざ主治医に言うこともなく、言っても個人差の範囲ととられるものだろうし
この薬を飲んだからみるみる毛深くなったと主治医に伝えることが出来るほどのことはないだろうから

とにかく、てんかんのお薬として小学校の1年生から抗けいれん剤を飲み続けて次男は、家族親戚の中でただ一人、モジャモジャと毛深い

ひげそりをしないで居ると、見るからにきれいじゃないひげ面になってしまう

その日、車の中でそんな会話をしながら、身なりをきちんとして、きれいにしておくことの大切さを、次男に話した

作品名:もやもや病 2 作家名:とことん