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もやもや病 1

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5 私を預けないで

次男が入院しているあいだ
小学2年の娘は、バスで通学しているのだけれど、バス停から歩いて15分かけて家に帰っても1人は心配だからと、同級生のお母さんがバス停の目の前のお家で、ここにいるようにと引き受けて下さった

家より手前のバスで降りて、おやつを頂き、宿題をして、スプーンセットも洗って下さって、夕飯を食べ終わって、私が7時20分迎えに行くという生活を2ヶ月半して下さった…
なかなかできることじゃない…
おじいちゃんもおばあちゃんもとても良い人で…

母親同士は友だちだったけれど、子ども同士は保育園から一緒だったというだけで、友だちという感情がないのが本当のところだった…

娘は何も言わず、例えばご馳走になった食事の内容も言わなかった…
私はそれは助かった、娘がペラペラしゃべる子だったら、預かってもらっているお友達の家でもやはりイヤだったんじゃないかと

でも、娘は、次男が退院してしばらくして私に言った…
もう私を預けないでね…

たった一言そう言っただけだったけれど、娘の気持ちがわかる気がした

子どもは次は○○ちゃんちで遊ぼうね、という関係があってこその立場だっただろう
毎日一方的にお世話になると言う立場…

娘は偉かった…
途中でその家には行きたくないと言えば、私が困るのはわかっていた
何とか預けない方向にするだろう、友だちにはせっかくの厚意を途中でお断りする妙な感じを与えるだろう
1人待たせたとして、寂しい住宅街にいる怖さを思っただろう

全部終わってから言ってくれた娘に頭が下がる思いだった

そして大人になってから、娘は話のついでだったのだけれど、あの時、お兄ちゃんが病気になってから、私はお母さんに甘えることが出来なくなった、甘えたかったのにと、泣きながら訴えられたのだけれど…

作品名:もやもや病 1 作家名:とことん