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もやもや病 1

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2 次男は10歳

入院した病院の小児科病棟にいた…
脳外科の子どもに詳しくない看護師さんに、脳室ドレナージの血液を出させる器具なのかどうか、その目盛りを先輩看護師さんが教えるのが何とも…
先輩看護師さんが離れて出て行った後、もう一度いじってみるのが、なんだかイライラして、もう触らなくて良いじゃないかと言いたいのを我慢したこと、妙に残ってる

1晩泊まり込んだ私は、看護師さんに1度家に帰るようにと言われて
夫に連絡をして、総合病院においてきた車をとりに行かなければ…

2時からの面会時間、1度家に帰ってまた出直して
次男はその日に初めて目を開けて言った言葉が
お母さん、これで宿題しないで良いね…
何を言ってるんだろうって一瞬思った…
あのね、1日の土曜日に夏休みの宿題全部持って行ったでしょ…
そっかぁ…
私、いつもため込む夏休みの宿題を、8月末に、やいのやいの言って片付けさせた
私の子どもの時と一緒で、すぐため込んで最後に帳尻を合わせる、私と同じだから、叱っていても、仕方がないなあって思いながら…

とにかく、怒りながら、次男は怒られながら、やっと終わらせて持って行った宿題だったのに、時間の観念が狂っていたのだと思う

手は緩く縛られていた…ベッドの端から出ているひもで…

私はその晩は家に帰るように言われて、7時に病院を出てきた

次の日、2時の面会に合わせて行ったら…
次男の頭にチューブがない
看護師さんの説明で、昨日の夜、いきなりベッドに起き上がって
もう治った
と、自分でチューブを抜いたのだという

ICUでも何でもない2人部屋の、ナースの部屋からガラス越しに見える部屋の中で、抜く前に気がついたとしても、部屋に入るにはもう間に合わなかった、らしい…

ドクターからの説明で…
チューブは、手術室で抜くべきもので、ここで抜いたことから、もしかしたら髄膜炎になる可能性があること
脳室に溜まった血液の行き場が無くなるので、お腹に管を通して流すシャントという手術をすること…
ふぅ~

その後何日というような間が空いたのかどうか覚えていない、とにかく2回目の手術ということになった…

左側の首筋に皮1枚下というような所に管が通っているのが見えるような術後だった
お腹にも3センチほどの盲腸のような傷が残った
ずっとたってから
僕、頭が痛いのに腹切られたんだよね…
自分でチューブ抜いちゃったりしたから…

作品名:もやもや病 1 作家名:とことん