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もやもや病 1

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8 6年生

担任は男の先生、女子のスポーツ少年団バスケットボールの先生だった
5年生で普通に扱って欲しいと話しをしても、あまりに普通すぎて困った私は、今度は、普通に扱いすぎないで欲しいと要望した
けれど、どう言っても、同じだったかもしれない

宿題を出されると、家でやってきて宿題のノートをそのページを広げて先生に机の上に乗せておくのが、宿題の確認だったらしい

次男は、2ページの漢字の宿題に、2時間以上かかった
1つ字を書いては空を見る
またノートに字を書く…空を見る

頭の前頭葉に血流が不足すると集中力がなくなるらしい
何でもその所為にしたいわけではないけれど

右手の麻痺をリハビリで鉛筆を持つこととお箸を持つことは出来るようになったけれど、その手で漢字の練習をするのは結構辛い

その汚く並んだ漢字のノートに、赤ペンが付いて帰ってきた
もう少していねいに!

私は、私が学校の先生で、そんな汚いノートを見たら、ノートの持ち主をノートをひっくり返して見ると思う…
そこに、脳梗塞の後遺症で右手の麻痺している生徒が書いたものとわかったら、どんなに汚くても、よく頑張って書いたね!と赤ペンするだろう

そのことさえしないのか、それとも次男の名前を見つけても、普通に扱うことになっているのだから、丁寧に書くように赤ペンするのが教育なのだろうか…

この赤ペンを見た時、私は、学校の宿題なんてどうでも良いと思った

4時過ぎに帰宅して、9時に寝かせようと思えば、そう沢山時間がある訳じゃない
2時間も宿題に掛ける意味を感じなかった
ここでもっと勉強させることに向けていたら次男の人生は良い方に変わったのだろうか…私は、あきらめ逃げた親だから

宿題のノートには、頭が痛いというので宿題が出来ませんでした、今日は早く休ませました宿題はしていません…そう書くようにした

小学校は、25,6人のクラスだったけれど、6人とか7人とかの班編成だった
掃除当番も、給食当番も、授業の発表も、宿題、忘れ物のシール貼りも、みんな班での成績

次男が居る班は損をする
当番の時に1人欠けることも損だったし、5人でしなくちゃいけないから
シールも次男が宿題をしてこないとシールを貼る競争から負けることになる

名簿順の班作りの時には否応もなくだったが、好きな人同士の班作り、例えば宿泊学習の時など、次男はどこも入れる班がなくなった

ずっと後になって次男が言った、いつも、トオル君が入れてあげようよと言ってくれたから班に入れたの
トオル君は3人の兄弟がみんな同じ学年で幼稚園から一緒だった…
ありがたかったけれど、トオル君もイヤな思いをしているかと気の毒だった…

給食の時には先生も一緒に食べるからいつもの席で食べるけど
お弁当の時には先生が居ないから、みんな好きな人同士で食べるから、僕はいつも1人でお弁当食べたの…あとになって聞いたとき、なんとかわいそうなと思った…こういう孤独は、私も子どもの頃に経験している

ひとりぼっちのクラスメイトが居ることを、そういう指導をする気のない先生、学校だったと思う

作品名:もやもや病 1 作家名:とことん