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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 暗黒騎士は両腰に手を当てて言った。
「まあ、確かにね。あんた達はトンマでマヌケでバカだけど。パパが武者修行して来いって言っているんだから仕方が無いじゃない」
 マグギャランは言った。
 「他のパーティを紹介してやる。そいつ等と組め」
スカイは頷いた。
 「確かにそうだな」
刃物恐怖症の戦士とラリ公の魔法使いと新興宗教の僧侶のパーティ辺りが丁度良いだろう。それか……スカイは、色々と冒険屋業界の知り合いを考えていた。この場合出来るだけ、ひどい奴等が良かった。お上品な奴等は不要だった。
 暗黒騎士が言った。
「嫌よ。私みたいな可愛くて性格美人の美少女が、見ず知らずの男達と一緒に居られると思うの。手込めにされて、クスリ打たれて、娼婦にでもされるに決まっているでしょ」
 スカイは言った。
 「俺達も十分見ず知らずだよ。いや、もっとマイナスの関係だよ。敵だ」
 マグギャランは言った。
「ああ、そうだ、敵だエネミーだ。シュラーヤは違うが」
暗黒騎士は言った。
 「あんた達、大したこと無い奴等だけど、人間性は辛うじて在るみたいだから。それに同じ女の子のコロンが居るからね。ね、コロン。女の子同士で頑張りましょう」
暗黒騎士は、口元を幾何学模様のハンカチで拭いているコロンの両肩に手を乗せた。
マグギャランは言った。
「まずは、コロンから騙そうという作戦だな」
暗黒騎士は笑い声を上げた。
 「失礼ね、わたしは誰も騙さないわよホホホホホホホホホ」
 マグギャランは言った。
 「そう言えば、あそこに止まっている四メートルぐらい在る巨大な馬に引かせた巨大な馬車は何だ。あれはクトイハ伯爵家の家紋「ベロンバ」だ。お前の物か」
暗黒騎士は馬車に合図した。
「決まっているじゃない。アレに乗っていくのよ。わたしがチマチマ歩くと思うの?」
馬車の扉が開いた。そして白い神官着のルシルスが出てきた。そして笑顔で手を振っていた。
「皆さーん、お元気ですかぁ?」
笑顔のまま、手を振って走ってきてスカイ達の前で転けた。
 またアイツかよ。
 スカイは舌打ちした。
空は快晴だったが、タビヲンの快晴は闇色だった。
                 (了)

 

 話を始めると辛い話だったな。俺達は大金に換金出来る、お宝物をタビヲン貴族の地位と引き替えに奪われしまったんだ。そうだよ。俺達は、タビヲンの貴族になったんだよ。
 こんな風にして、最低の女、暗黒騎士は、俺達の仲間になったんだ。今、思いだしても酷い女だった。迂闊にも馬車に乗ると楽だと思って乗ってしまったのが不味かった。あの後、酷い遠回りをして、イネンシ王国を通らないで沿海岸州連合王国に出たんだ。
 でも、全然、話が進んでいないな。今日はこの辺にしようや、話疲れたからな。でも,大分後で奪われた財宝の一部は取り返す事はできたんだ。俺だって奪われたままで終わるような男じゃない。だが、今、思いだしても辛い記憶だった。どっと疲れが沸いてきたよ。あー最悪だった。それじゃ、またな。             (聞き手ノベラーY) 次回!秘密結社ドゲッサー編第二話 「アイツの決意と、やってきたアイツラ」