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アリス・スターズ
アリス・スターズ
novelistID. 204
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音ゲな僕らの青春記録

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「じゃあ、1回だけやって帰ろうかな。」
 しばらく他愛もない話をしてから、息吹がそう言って財布を取り出した。中から出したのは100円玉と赤いカードだ。そして入り口側から3つ目にある筐体――巨大なスピーカーが4つと液晶の画面が付いた、一番豪華なやつ――に歩み寄って、ステージみたいなところの若干左寄りに立った。
 カードを左側に申し訳なさそうについてる四角い何かに差し込んで、100円玉を筐体の中に突っ込むと、でかい音と共に画面が切り替わる。テンキーで何かを入力したり、画面の下についているボタンを押したり、左手側についている円盤をくるくる回したりして、息吹はどんどん画面を切り替えていった。ある場所で白い四角のボタンを押すと、ジャーンという音と共に「moon_child」という文字が画面の中央に登場した。
 先程までの重々しい音楽はどこへやら、そこから流れてきたのは物悲しい電子音とピアノ。ラジオが局を合わせているときの音――だと思うものが聞こえてくる。
 なんだろう、この音楽は……?