音ゲな僕らの青春記録
留年してから今のところは皆勤実行中。なんとかしてこれから先2年間は無遅刻無欠席を貫き通してやる、と思ってね。2年生名義の、3年目の高校生活が始まって2ヶ月が過ぎる頃には、年下同級生達の顔も覚えたし、その関係もあらかた分かるようになってきた。
25人のクラスは、おおかた3つのグループと2つのペア、あと6人はたいてい1人でいる、という感じ。僕はそのうち、2つのペアの片方に所属していた。
いわゆる連れ、って言うのかな。ペアの片側は息吹っていうんだ。気さくですごいいい奴だよ。草食系男子ってやつでさ、普段はおとなしいんだけど、仲良くなったらよく話すようになった。成績は僕と同じくらいで、この間の中間テストのときはお互いの家に遊びに行って勉強会とかもした。
そうそう、息吹にはすごい楽しい世界を教えてもらったんだよ。かっこよくて、ちょっとワルくて、勉強に浸かってた今までの僕には無縁だった世界。
ゲームセンターの世界を、ね。
まさかこれが、僕の人生を大きく変えることになるとは、誰も想像しなかっただろう!
……なんて。
作品名:音ゲな僕らの青春記録 作家名:アリス・スターズ