音ゲな僕らの青春記録
「今度は、難しいの行ってみる?」
言いながら息吹がスクラッチをくるくる回す。それに合わせて曲の表示がくるくる流れていく。と、その途中に見たことあるタイトルを見つけた。
「あ、これ。さっき息吹が聴かせてくれたやつだよな?」
それは「murmur twins」だった。難易度3段階のうち、一番難しい「難」に分類されているそれは、確かにさっき聴いた曲の題名だ。
「じゃあ、これにする?」
「そうだな、そうしよう。」
僕が白いボタンを押すと、ジャーンという音と共に画面が切り替わる。もう3回も目の前で鳴ると慣れた。
曲が始まる。……あれ、さっき聴いたのと若干違うな。と思うのは僕の演奏がずれているからなのか。さっきの「DOLL」よりもオブジェの密度が高い。とにかく必死に叩いていたが、間違いも結構多いのが自分でも分かる。
結果、終わったときにゲージは「48%」、「CLEAR」の代わりに「FAILED」と表示された。
作品名:音ゲな僕らの青春記録 作家名:アリス・スターズ