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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 46~49

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 「東山温泉の盆踊りに、小春姐さんと喜多方の小原庄助さんを
 引っ張り出します。
 お2人に、デートしてもらいたいのです。
 10代目は、そろそろ私に、新しいお母さんが出来ても良いと
 はっきり申しておりました」

 「なるほど。それは、聞き捨てならぬ事態です。
 10代目がそんなことを言いましたか。
 あの子もそれなりに、大人になったということでしょうか。
 よろしい。あたしが一肌脱ぎましょう。
 なぁに、造作もありません。
 清子は物覚えが悪すぎますから、あと1ヶ月、私に預けなさいと
 小春に言ってあげましょう。
 そう決まれば、小春のところにいる意味はありません。
 荷物をまとめて今日のうち、私のマンションへ引っ越しましょう。
 善は急げです。行きますよ、清子」

 「え。いくらなんでも、それはまた、あまりにも性急すぎるお話です」

 「馬鹿だねぇ、お前も。
 呑気な顔してここへ滞在していたら、お前のことだ。
 白状しちまうのは目に見えている。
 あたしの所なら、10代目と会っても、バレる心配はない。
 子供とばかり思っていたが案外やるもんだねぇ。お前たちも。
 面白いことになりそうだ。
 なんなら、半年でも1年でもいいから、結果が出るまであたしが
 お前の面倒を見てあげましょう。
 どうだい。ずっとあたしのところで、仲良く一緒に暮らそうか?」

 「いえ。一ヶ月だけで充分です。
 長居しょうとは、今のところは考えておりません。
 どうぞひと月だけ、置いてください。よろしくお願いいたします」

 「なんだ。まったく、欲のない子だねぇ・・・・
 なんなら、お前と結婚してあげたっていいんだよ。
 あたしゃ今でも、戸籍上は男だ。
 清子だって16歳になれば、結婚が許される歳になる。
 年齢差は、たったの44だ。たいした年齢差じゃないだろう。
 世間ではよくあることだ。あっはっは」


 (48)へ、つづく