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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 41~45

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 『まったく。小春のやつときたら、おいらの顔を見れば、
餌を催促していると
勘違いしゃがる。たまにはオイラの話をまともに聞いたらどうだ!。
役に立つ情報を教えようと思ったのに。チェッ。なんだよ、
まったくもって面白くねぇ』
ぶつぶつつぶやくたまの頭上で、清子と恭子の約束が進行していく。
電話を切った清子が、たまの朝食を準備している小春のもとへ飛んでいく。

 「小春お姐さん。
 恭子さんが、猪苗代湖東岸の観光に連れて行って下さるそうです。
 お出かけしても構いませんか?」

 「一向に構いません。
 ですが、そちらのお嬢さんのご迷惑にならないですか。
 ハキハキした印象を受けましたが、恭子さんというのは、いったい、
 どちらのお方ですか?」

 「喜多方で、お友達になりました。
 美味しいラーメンを、ご馳走になりました。
 その折り。今度のお休みのときに、一緒に遊びましょうと約束しました。
 10代目を継いで、酒蔵の当主になるお嬢さんです」
 
 「10代目を継いで、酒蔵の当主になる・・・
 もしかして、大和屋酒造の、弥右衛門さんのひとり娘のことですか?」

 「はい。弥右衛門さんのお嬢さんで、高校3年になる恭子さんです。
 清子が会津に居るうちは、あたしが遊んであげるから、
 遠慮しないで、いつでも連絡してきなさいと言われています。
 あっ。もうひとつ、別の用件もあるそうです
 そのうち、東山温泉の美人芸妓、小春お姐さんのお顔を見たいと
 言っていました。
 昔。一度だけ見たことがあるそうですが、記憶が曖昧だそうです。
 顔を見るくらいなら大丈夫でしょうと、勝手に
 返事をしてしまいましたが・・・
 いけなかったでしょうか?。小春お姐さん・・・」

 「高校3年生なら、お前より2つ年上。
 へぇぇ・・・もう、そんなに大きくなったのですか。
 あの時の、あの小さかった、あの子が・・・」