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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 41~45

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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (43)
 恭子がやって来た

 それから数日後。午前9時ぴったり。
小春のマンションの電話が鳴りはじめた。
『たま。約束通り、10代目がお電話をくれたようです』
たまと遊んでいた清子が動きを止める。隣室の様子に耳を澄ます。

 「清子。喜多方の恭子さんというお嬢さんから、お電話です」

 小春に呼ばれた瞬間、清子はすでに、弾かれたように部屋を飛び出している。
『いつの間に出来たのですか?。あなたに、喜多方のお友達が?』
小首をかしげている小春から、清子が受話器を奪い取る。
あとを追って駆けてきたたまが、事情を説明しましょうかと、笑顔で見上げる。

 しかし。たまの申し出は、残念ながら小春に伝わらない。
『はいはい。お前のその顔は、お腹がすいているんだね。
朝ごはんをあげましょうね』
スタスタと台所へ消えていく。